- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041119006
感想・レビュー・書評
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初めての西條奈加さんの作品。
短気でケチ、一文の得にもならない他人への情など絶対にごめんだというおじいさんが、隠居を機に孫の持ち込む厄介ごとに巻き込まれてるうちに他人への情愛、商いへの情熱を持っていく。
この人情味あふれる描写、登場する人物一人一人が個性に溢れていて素敵な作品だった。久々に読んでいて温かい気持ちになれる作品に出会えたと思う。 -
皆に強さも公平さも優しさも臆病さも弱さもあって、つまりは人がしっかり書かれているということなんやね
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ご長寿番組のようなずっと眺めていたい安心感。人は年齢関係なく成長できることをその些細な変化の描写で教えてくれていました。最後はこどもの健気さに涙が出ました。続編も楽しみです。
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良い話。パーッと読める。いい頑固ジジイです。
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最初は、困ってる人を見付けてはお祖父さんの所が連れてきて「何とかしてくれ」と自分勝手に話を進める孫と、大人相手に礼儀を知らず失礼ばかりの子ども達に苛々しました。平穏に過ごせるはずの隠居生活をぶち壊されて、不憫でならなかった笑←
困ってる人助けとか子どもと関わる事で、少しずつ徳兵衛の気持ちに変化が生まれて、子ども達との関係性とか子ども自身の成長とか、悪くない隠居生活だったなあと思いました。 -
自信を持って人に勧めたい。
この作者さんの本は初めてですけど、心理描写がすごく素敵です。時代ものはとっつきにくさがあって避けてたのですごすごく読みやすかったです。 -
隠居こそ、人生の上がりだと思って仕事してきていざ仕事を止めて隠居してみたもののする事がない。
そんな徳兵衛がなし崩し的に巻き込まれて巻き込んで隠居暮らしを楽しんでいく話。
『仕事を楽しむ心がある。楽しいうちは投げ出すこともなく苦労を苦労とも思わぬもの。
…
楽しいだけでは済みませんがなんといいますかやり甲斐といった方がよいのかもしれませんね。
…仕事なのだから、つらくともあたりまえ。堪えるよりほかにならろう。』
仕事だからこそ、ちゃんとやる。だけど同じくやるんでも楽しんでできたらいいね。
私にはそこがいちばんぐさっときた。
西加奈子、他のも読んでみたくなりました。