- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041119402
作品紹介・あらすじ
関東最大の暴力団・東鞘会の跡目争いは熾烈を極めていた。現会長の実子・氏家勝一は、子分の織内に台頭著しい会長代理の暗殺を命じる。一方、ヤクザを憎む警視庁の我妻は東鞘会壊滅に乗り出していた……。
感想・レビュー・書評
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前作の「ヘルドックス」で魅了され、続編であるこの本を手に取りました。氏家勝一の秘書である織内鉄さんとマル暴刑事である我妻邦彦さんの二つの視点で語られていく。
話はあの事件の前日譚。読み始めるとすぐに今回も魅了され一気読みしてしまいました。圧倒的な暴力シーンや銃撃戦などの迫力や心理戦のヒリヒリした感じがたまらない。ヘルドックスでは描かれなかった別の視点での物語のため、さらにヘルドックスの世界観が広がった作品でした。
これはもう続編を読むしかないですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ヘルドックス」シリーズの2作品目。
前回の続きかと思っていたが、時系列では前作「ヘルドックス」の前日譚にあたる。
前作同様、出てくる人物が非道で外道でバイオレンスのオンパレード。だが奥深さがあり凄く面白い作品だった。
「ヘルドックス」同様、複雑に周到された罠や策略やら陰謀がはりめぐらされている。
「ヘルドックス」と今作品をセットで考えて捉えてみると全体の流れが全てが府に落ちてくる。
特に阿内、勝一の前作で影になっていた部分が明らかになってきて、なるほどと納得、解釈する事ができた。
そして勝一の実体がそんなだったとは。
前作では想像もしない展開で自分の創見の上を行く内容だった。
次作「天国の修羅たち」も期待。 -
深町秋生『煉獄の獅子たち』角川文庫。
映画原作『ヘルドッグス 地獄の犬たち』の続編。
深町秋生の最高傑作と言うべき前作『ヘルドッグス 地獄の犬たち』を踏襲する余りにも過激でハードなピカレスク小説。最初は我妻刑事の山形弁が作品の雰囲気を少し弛緩させているように感じたが、慣れてくると寧ろヤバいくらいのリアリティを感じる。
跡目争いに揺れる関東最大の暴力団・東鞘会。現会長の実子である氏家勝一と会長代理の神津太一とが新会長の椅子を争い、対立する。次第に激化していく抗争と報復。氏家勝一は神津太一を暗殺するが、何故か風向きは変わらず、代わって神津組の十朱義孝が新会長の座に付く。
一方でヤクザを激しく憎む警視庁の我妻刑事は東鞘会壊滅に乗り出すが、同じ警察の組織犯罪対策特別捜査隊から横槍が入る。山形弁丸出しの我妻刑事に初めこそがっかりするのだが、次第に正義の強面刑事ぶりを見せる。
そして、前作で元警視庁の潜入捜査官で警察組織に見切りを付けてヤクザに寝返った是安総こと十朱義孝が本作でも再び……
本体価格880円
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最近なかなか出会わなかった、今どきの感じがないガチガチの昭和のような極道物。
もう、警察も信じられなくなるような汚く暴力的な内容だけれども展開の速さと裏切りの連続で最後の最後まで面白かった。
既刊のヘルドックスの前日譚らしいが、読んだ割に全然記憶にない。この本を読んでも記憶が蘇らない・・・。 -
極道物は面白いです、とは言え物語としてもちゃんと面白い一冊でした
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03月-11。3.5点。
ヘルドッグス第二弾。第一弾の前日譚。会長氏家必勝の息子勝一と、その片腕織内とマル暴刑事我妻を中心に物語が進む。相変わらずグロい描写はあるものの、ストーリーはしっかりしている。
ラストは衝撃。第一弾へとつながる重要な展開だった。