- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041119419
作品紹介・あらすじ
ヤクザにも物怖じしない、恐れ知らずの老ジャーナリストが殺害された。犯人を追う警視庁捜査一課の神野真里亜は、元同僚の鑑識官から、信じられない人物が捜査線に上がったことを知らされる。真実を明らかにするべく独自に捜査を進める真里亜は、気がつけば警視庁を揺るがす陰謀に巻き込まれていた……。読む者すべてを圧倒する、映画原作「ヘルドッグス」慟哭の完結編!
感想・レビュー・書評
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ヘルドックスの続編。老ジャーナリスト殺人事件をきっかけに思わぬ人物が捜査線上にあがる。真実を追う神野刑事を待ち受けているものとは?
罠や裏切りや急襲や戦闘などから今回も目が離せなかった。
そしてラストは数十年後の未来が描かれている。
ヘルドックスから本作まで一気読みのほうが、このシリーズの世界観に浸れて面白いと思う。また一人好きな作家さんが増えました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヘルドックスシリーズの最終章。
圧倒的なバイオレンスで、何人も死んで何人も悲惨な目にあい、狂気と暴力の渦巻く作品だったが、前ニ作品共に最高に面白い作品だった。
今作は気になっていた兼高のその後が明かされていく物語。
時系列的に今作品は兼高が失踪して1年後が舞台。物語は捜査一課の神野真理亜が中心人物。別件の記者殺しの捜査から兼高ファイルの存在を知り、後戻りのできないパンドラの箱を開けてしまう。
例によってまた暴力と殺戮の連続。
前2作品が大きく関わっている為、内容と世界観は凄く濃い。
最後、刑務所内で兼高(出月)の描く絵の描写がある。皆が敵味方なく笑って酒を酌み交わす絵。
自分の命以上に威信と信念を重んじ散った男たちだからこそ笑えるのだろう。
最終的に皆が被害者であるような気がして、だからこそ別の世界では心の通い会う別の形で存在してほしいとも感じられた。
過去を壊され壮絶な生死をかけた人生を送り精算した後、その絵は出月が最後に本気で望む核心の光に見えた。
3作通して最高の作品だった。
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文庫本書き下ろし「天国の修羅たち」は、単行本で読みたい作品でした。
「ヘルドック」シリーズは「地獄の犬たち」で始まり、忽ち深町先生の筆力の虜となった。「煉獄の獅子たち」を挟み今回の作品で完結となりました。
一週間前の深夜、新大久保のコリアンタウンの中層マンションで老ジャーナリストの 宮口暁彦が殺害され事務所の書斎で床に倒れた状態で発見された。
警視庁の調べによると、単なるヤクザ者の仕業とは考えられないプロ集団であることがわかったのだ。鑑識の指紋鑑定係によると来訪者の物と思しき指紋を湯呑から採取された。
神野真理亜(主人公)は捜査会議に出席したが、指紋のことは特に問題になっていなかった。真理亜の親友の飛鳥は、指紋係に在籍し科学捜査員の中でも優秀な人物である。
その飛鳥が化粧室の中で泣いているのを真理亜が見つけて、事情を聞いてみると、指紋は「出月梧郎という元警察官」で間違いないと断定していたのだ。出月梧郎(兼高昭吾)は、日本では禁じられている潜入捜査官で、かつての上司(阿内)組特隊(組織犯罪対策特別捜査隊)隊長が潜入させたのだ。
何故問題にならなかったのか?実は、数年前兼高は、消されたのだ。誰が消したのか?
疑問は残るが、潜入捜査員は一人ではなく、かつて潜入していた十朱義孝が、「兼高ファイル」を作成して世間にばらまかれた経緯と、兼高はすでに故人であるからだ。しかし、指紋は本人の物に間違いなく、知られては困る黒幕が圧力をかけたのだ。
真理亜の疑問は、警察クライムサーガ小説の面白いところに正攻法で活躍する。しかし世界に権力を掌握する欲望が消えない限り、暴力もまた消えることがないように思います。積極果敢に暴力に屈することなく、悲哀と修羅の間で警察官として対峙していくのだ。
未だに興奮冷めやらず、夢中に読んだ日を思い出します。続編が出れば読んでみたい作品です。ヒロイン誕生かな!
読書は楽しい。 -
シリーズ完結作。全体的には起承転結もしっかりしているし、緊迫感が最後まで保たれているとこや格闘シーンの殺伐さが良く楽しめた。
ノンストップクライムサスペンスと謳っている通りなのだがスピード感がありすぎて自分のスペックでは対応しきれなかった感がある。
主人公が新しくなっている割には主人公の背景描写が少なくて感情移入しにくい。もっとページ数も増やしてどっしり書いても良かったのかなとも思う。 -
深町秋生『天国の修羅たち』角川文庫。
『ヘルドックス 地獄の犬たち』『煉極の獅子たち』に続くシリーズ完結編。書き下ろし。
前作で警視庁の潜入捜査官で警察組織に見切りを付けてヤクザに寝返った是安総こと十朱義孝が殺害されたが、それで全てが終わった訳ではなかった。
そして、この異常な物語に決着を付けるのが、若き美貌の女性刑事だったという驚愕のストーリー。面白い。非常に面白い。
暴力団のネタを記事を書いてきた老ジャーナリストの宮口暁彦が事務所に忍び込んだ何者かによって殺害される。マル暴刑事の樺島順治と共に犯人を追う警視庁捜査一課の神野真里亜は、元同僚の鑑識官から信じられない人物が捜査線に上がったことを知らされる。
現場に残された指紋から浮かび上がったその人物とは東鞘会に潜入していた捜査官の兼高昭吾こと出月梧郎だったが、何故か警察トップがそれを隠蔽しようとする。
真実を明らかにするべく独自に捜査を進める真里亜は警視庁を揺るがす陰謀に巻き込まれていく……
深町秋生の代表作と言っても過言ではない過激でハードなピカレスク小説シリーズ。
警察に限らず組織というものには腐敗と悪が蔓延り、いつの間にか悪に飲み込まれてしまう。元統一教会に見事に侵食され、カルト内閣となった現政権。経済活動という御旗の元、コロナ対策に消極的なのはカルトに魂を売り飛ばしたからか。
本体価格760円
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★4.7
胸の空く勧善懲悪の結末。
スーパーバイオレンスのエグい殺戮描写から一転まさに天国。
楽しませて、いただきました。
彼は最期まで警察官でありました。
そう云った意味では、やはり警察小説なのだろうか。
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一気読み。
今回もハラハラしてどういう展開結末なるか分からんかったー -
ちゃんと終わってよかった
三部作、一気に読んだから大満足