JK (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.52
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本棚登録 : 515
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041125915

作品紹介・あらすじ

神奈川県内で発生した女子高生殺人事件。川崎にある懸野高校の一年生・有坂紗奈が両親とともに惨殺された。犯人は紗奈と同じ学校の同級生や上級生からなる不良集団であることが公然の事実とされていたが、警察は決定的な証拠をあげることができず、彼らの悪行が止まることはなかった。しかし、一人の少女、高校一年生の江崎瑛里華の登場で事態は急展開をとげる。人気シリーズ「高校事変」を超える、青春バイオレンス文学!

感想・レビュー・書評

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  • 高校事変シリーズに続いて、もう一度、強い女子高校生の話が始まるとは思わなかった。

    でも読み出しはあまりの救いのなさと、描写の残酷さで高校事変よりもハードだなと感じた。

    主人公が強くなる過程が、「いくら追い詰められたら強くなるとは言っても、そのスピードはないだろう」とか、「そんな知識は今まで持ってたの?」とか色々思うところはあるけど、スカッとする勧善懲悪の話なので次作が楽しみです。

    ただ主人公は可哀想。ひとりぼっちで生きるしかない。ここを何とかしてあげて欲しい。

  • 圧倒的な理不尽な暴力により、家族を殺された主人公紗奈。その紗奈がその不良達に復讐していく。

    その圧倒的な力は普通の不良を圧倒し滅殺していく。
    その滅殺が凄く文章から映像がクリアに想像出来る為読み始めると止まらなくなってしまいました。
    シリーズ化に期待する作品でした。

  •  凄惨で克明な暴力・凌辱・殺人描写で、脳裏にざわつく映像が浮かぶようです。実際には見えないはずなのに、そのグロテスクさに思わず目を覆いたくなります。
     『JK』は単に俗語の〝女子高生〟と思いきや、ジョアキム・カランブーの心得「窮鼠(きゅうそ)は学ぶ。逆境が師となる。」の意らしい…。なるほど、主人公が女子高生であり、かつその子の信条にもなっています。それが想像を絶する展開につながっていきます。
     こういうバイオレンスものが好きかと問われれば、少々返答に困りますが、物語の最後の落とし所に救われました。また、展開のスピード感と復讐実行の高揚感の引き出し方、謎の設定などで、どんどん引き込まれてしまいます。
     松岡圭祐さんの『八月十五日に吹く風』『ミッキーマウスの憂鬱』の世界にかつて魅了されましたが、本作はまた別の魅力が詰まっていて、作風の幅広さを感じさせられました。

  • 松岡圭祐『JK』角川文庫。

    予想外にハードなバイオレンス小説。

    最後までフルスロットル全開で駆け抜けた感じのスピード感のある凄まじい作品だった。

    主人公と思われた女子高生はいきなり冒頭で惨殺されるという衝撃。突然現れた美少女が、まるで復讐を果たすかのように最悪の不良集団の一人ずつ殺戮していくのだ。美少女の正体は……

    タイトルの『JK』は女子高生の意味もあるようだが、ジョアキム・カランブーの“窮鼠は学ぶ。逆境が師となる。”という格言が根底にあるようだ。

    ヤクザ予備軍の極め付きの不良集団が集まる川崎市の懸野高校に通う1年生の有坂紗奈はうつ病の母親と会社の業績不振で減給された父親のためにアルバイトと学業を両立させる健気な女子高生だった。

    ある日、母親が自転車で転倒し、病院に運ばれる。父親と共に母親を迎えに行った紗奈は両親と通り掛かった廃工場の側で同じ高校の不良集団に襲われる。父親は鉄パイプで頭を殴られ、母親も激しい暴力により相次ぎ殺害のされる。紗奈も不良集団に犯された挙げ句に両親共々と焼き殺される。

    不良集団による凶行であることは明らかにも関わらず、警察は決定的な証拠を掴めず、不良集団の悪行は止まることがなかった。

    そんな中、高校1年生の美少女、江崎瑛里華が突然現れると事態は一変する。

    書き下ろし。続編がありそうな感じ。

    本体価格700円
    ★★★★★

  • 2022年5月角川文庫刊。書き下ろし。シリーズ1作目。不良を一掃するスーパー女子高生のストーリー。凄いのですが、ここまで凄いと夢の世界のお話になりますね。

  • また、新たなヒロイン登場

    JKの意味が違ったー
    ※相変わらずのミスリード

    前半は、あまりにもショッキングで、
    読んでいても辛かった…

    川崎ってこんなに怖いの?

  • 高校事変シリーズを超える無双状態で楽勝の格闘小説。強くなる過程が早すぎるけど。結衣と組んで強敵にたちむかうか、結衣とガチンコで闘うか、ファンならそんな展開を望んでしまう。

  • 気持ちが落ち込む物語の始まり方で、中盤もやるせない気持ちになる物語だった。
    不良たちに同情しているのではなく、単に悲惨な表現に対しての気持ちである。

    終盤の展開は正直現実味がなさすぎたが
    だからこそ終わりがどうなるかは気になる作品だったかな。

  • JKというのは、ジョアキム・カランプーだよと明言しながら、女子高生も匂わせているのは見え見えなんだが、高校事変の続きがこれか?!と、またギアを入れ替えたの感。

  • JK=ジョアキム・カランブー(1922-2004)。「窮鼠は学ぶ。逆境が師となる」。JK(女子高生)の心得です。
    有坂紗奈の事件の描写がキツくて、それまでとその後の不良グループ描写にもうぇえとなるのですが、江崎瑛里華が現れて復讐を遂げていくのはたいへんバイオレンスでした。
    「高校事変」シリーズとは違って出自も育ちも特殊でない、K-POPダンスに熱中する普通の女子高生が、ジョアキム・カランブーの教えの通りにここまでなるのか。窮鼠だけれど努力は報われる…のかな。。

    「高校事変」と違って、敵も身近な悪。どちらのバトルも、みんな違ってみんないい。
    煽りが入らなくてクールにサクサク殺っていくのも復讐という感じです。続きも読むかな……

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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