遠巷説百物語 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.19
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本棚登録 : 351
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041131091

作品紹介・あらすじ

【第56回吉川英治文学賞受賞作】
『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞を受賞――本作でシリーズ三冠!

「遠野は化け物が集まんだ。咄だって、なんぼでも来る」

盛岡藩筆頭家老にして遠野南部家当主の密命を受けた宇夫方祥五郎は、巷に流れる噂話を調べていた。
郷が活気づく一方で、市場に流れる銭が不足し困窮する藩の財政に、祥五郎は言い知れぬ不安を感じる。
ある日、世事に通じる乙蔵から奇異な話を聞かされた。
菓子司山田屋から出て行った座敷童衆、夕暮れ時に現れる目鼻のない花嫁姿の女、そして他所から流れて迷家に棲みついた仲蔵という男。
祥五郎のもとに舞い込む街談巷説、その真偽は――。

ハナシは、やがて物語になる。どんどはれ。
〈巷説百物語〉シリーズの集大成!

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ(文庫化済み)最新巻♫
    「続〜」「西〜」「前〜」「後〜」で完結だと思っていただけに、1〜2年前に本作の存在を知った時には小躍りしたい位に喜んで、首を長くして文庫化を待ったものだった♫

    さて、舞台は遠野。
    京極ファン皆の大好きなあの男ではないものの、彼と同じ匂いのする男達の仕掛けの数々は皆、胸のすく解決をもたらしてくれ、最後まで楽しく読み進められた。

    そして最終編。例の北林藩も絡んだ大掛かりな仕掛けの始末には あの男 も関わってきていて・・・

    いいねえ、とてもいい。

    ★4つ、9ポイント。
    2023.06.03.新

    次作も連載中だとのこと。楽しみ♫
    ただし「了〜」というのが寂しいかな。

    世界観を読み切ってしまうのが寂しくて読まずにいた
    「西〜」も、そろそろ流石に読もうかな。

    • かえさん
      こんにちは

      私も完結だと思っていたので、新作はノーマークでした。
      本作を書店で発見した時
      体が爆発しそうなくらい衝撃が走って、店内で叫びそ...
      こんにちは

      私も完結だと思っていたので、新作はノーマークでした。
      本作を書店で発見した時
      体が爆発しそうなくらい衝撃が走って、店内で叫びそうになり、
      一人で顔真っ赤にして興奮してしまいました。不審者です(笑

      次作は本当に完結っぽいので寂しくなりますが
      楽しみです。

      西〜も含めて、次作が発売されるまで
      初めからゆっくり再読しようと思います。
      西は林蔵さんがとってもカッコいいですよ!!
      2023/06/03
  • 待ってました大好きなシリーズ
    読む前から読み終わってしまうのが惜しくて
    自分を焦らしていたのですが、我慢ができなくなりついに読んでしまいました。

    このシリーズは、身分の外の人たちが
    どうにもならない困ったことを怪異に見せかけて丸くおさめてしまうお話です。
    殺さずに悪を成敗する、必殺仕事人のような
    情に厚く優しいお話。
    最初のお話から遠野の迷家というパワーワード登場に、そうそうこんな世界観だった。と懐かしい気持ちになりました。

    今回のキーマンの祥五郎さんが
    また百介さんとは違った人の良さが滲み出てました。
    娶ったのではなく、添うたのである。
    という一文が祥五郎さんの人柄を表していてとても好きでした。

    でもやっぱり最後のお話は
    あの人登場に胸熱で、、、、
    今は亡き小右衛門流のやり方で、しっかり締めくくることで、弔いとしての意味もあるのかなと思いました。
    タネ明かしをしている軽快なやり取りが懐かしすぎてホント読み終わりたくなかったです。
    おぎんさんが元気でいることも会話の中で伺え、次作は全員集合期待しています。

    あぁ、読み終わってしまった。
    また、又市さん達に会えるのを楽しみにしています。

    • hs19501112さん
      はじめまして。

      「読む前から読み終わってしまうのが惜しくて」

      に、激しく同意します。自分もこの本、買ってから読み始めるまでに1ヶ月弱か...
      はじめまして。

      「読む前から読み終わってしまうのが惜しくて」

      に、激しく同意します。自分もこの本、買ってから読み始めるまでに1ヶ月弱かえちゃいました。

      シリーズ全巻読了が寂しすぎて、「西〜」はまだ読めずにいます(苦笑)
      2023/06/03
    • hs19501112さん
      コメントお返事感謝です。
      林蔵の活躍ですか。近いうちに「西〜」
      も読みますっ。

      では、「了〜」を楽しみに待ちましょう♫
      コメントお返事感謝です。
      林蔵の活躍ですか。近いうちに「西〜」
      も読みますっ。

      では、「了〜」を楽しみに待ちましょう♫
      2023/06/03
  •  『遠野物語』読んでるなら一層楽しめます。

     真逆『遠野物語』のあの人物にこんなところで再会するとは思いませんでした……。然も迂闊にも最後の最後まで気付かなかった。その上なんかちょっとエモい感じに締められたのが悔しい(笑)。

     遠野の全てに愛を込めて。著者が彼の地を愛おしく想う気持ちがひしひしと伝わってくる。読み了えた時、そっと表紙を撫ぜたくなるようなやさしさを感じました。

  • 1話ごと完結なので、読んでいる間は何となく毎回スッキリしながら読むけど、残り僅かになるに連れて寂しくなってくる。いつの間にか自分も仲間のような気持ちになっていて、みんなと離れてしまうのが寂しい。そんな気持ち。

  • 久しぶりに、重かった……。

    これこそ電子書籍にすればいいのにと思いますが、やっぱり読了後、本棚に置いたときの、達成感と満足感には変えられないと思わされてしまいます。

    面白かったです!謎に包まれた化け物の正体が、あっさりばらされるところは滑稽だし、荒唐無稽な話のはずなのに、史実に結びついていくというのも凄いし、本当の話かもと可能性を残すのがニクイです(笑)。

  • これまでとは全く異なる土地を舞台にしているのだけどシリーズに登場している人物はこちらにも登場(とはいえメインの二人を私はちょっとうろ覚えです……)最後にはあの人も。

    というか『出世螺』のあの仕掛けは、シリーズではおなじみのあの人の技ですしね。

    冒頭の語り、乙蔵、お前だったのか……となりました。
    遠野物語には触れたことがないのだけど、読んでみたくなりました。

  • 遠野で巷に流れる噂話を集めることを命じられた宇夫方祥五郎。その中から、藩の存亡に関わる出来事が露見する。
    遠野に昔譚があり、噂咄から噺(物語)へ、そして真偽を見定める話に。そして、宇夫方が筆頭家老に語る譚に。「はなし」がつながり、遠野に新たな譚ができる。
    「はなし」に引き込まれる。

  • とても考えられている構成だと思った。

    人々は説明のつかない諸々をまとめて妖怪の仕業とし、噺(はなし)を創り上げてきた。
    奇怪な出来事が起きる咄から始まる。
    それを解決する話を出し、噺が出来たであろうストーリーを作る。

    おもしろかった。

  • 久々の『巷説百物語』シリーズ。
    大好きなんてすが、正直登場人物なんかがまるっと抜け落ちてました。笑
    これ(特に最後の話なんかは)絶対に覚えてたほうが楽しめるやつだったー!
    最初から再読…したいです!!!時間くれ!!!

    さて、岩手県・遠野保を舞台にした巷説百物語です。
    あの遠野物語のところが舞台なだけあって、マヨヒガ・山人・糠山など、随所に散りばめられている…?(ちなみに私は遠野物語読んだことなくて…京極夏彦好きのくせに…↑の知識はウィキペディアです。)
    これは絶対元ネタ知ってたら楽しいやつだ…遠野物語、絶対読もう…

    正直シリーズの登場人物全然分かんなくても面白いです。
    知ってたら、うおおおおおお!又さん出てきたぁああああ!ってなるだけです。(それだけ覚えてた)


    3つの『はなし』で構成されているので調べてみた。

    【譚】物語を語る。また、物語。「譚詩/奇譚」
       今からする話の元ネタ。導入部。
    【咄】昔話や落語。
       その時にあった妖怪物語。
    【話】出来事を述べるというよう筋を追って語ったもの。述べた内容。
       解決部。ネタばらし。順を追って解説。


    ばっちりこれまでの巷説百物語の流れをくんでました。
    短編連作なんだけど、話は江戸なのに現代に通じるものがあるなって。
    振り込め詐欺のような話もあるし!
    それを妖怪を使ってどう解決に導くか。良し悪しでなく全方位なるべく上手くいくように。

    久々の京極作品、どっぷり疲れて満足です。




    @手持ち本

  • いやはや
    京極作品は長い
    その分読み終わったときの達成感はハンパない
    このシリーズで又一に会えて嬉しかった
    やっぱり仕掛けの核は又一が一番ですね
    遠野の次もあるのかな?

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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