- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041137581
作品紹介・あらすじ
葉山の海辺にある小さな料理店のオーナーである海果は、葉山生まれの海辺育ち。高校を卒業した矢先、シングルマザーの母親が恋人と家を出ていき、残されたのは小さな店と借金だけ。途方に暮れる海果だが、しっかり者の中学生・愛と、窓辺で客を招いてくれるキジトラ猫サバティーニの協力のもと、四苦八苦しながらも店を切り盛りしている。地元で採れる新鮮な魚や野菜を使った料理は好評で、素朴な海果の人柄に惹かれ、お店を訪れる人々も増えていた。だが、その夏初めてきた台風で店が甚大な被害を受けてしまい、さらに近所にパスタの有名チェーン店ができる。店を襲うピンチに頭を抱える海果だが、店ごと買い取りたいと申し出ている男性から、母との意外な関係を聞かされ、さらに気持ちは揺れ動く――。
感想・レビュー・書評
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【あらすじ】
海果の店の近くに、大手チェーンが経営するパスタ専門店がオープン。
台風で家の壁が損傷を受け、その修繕費も用意しなければならないのに、売り上げに影響が出始める。
一方で、野球選手として復帰するためのトレーニングを開始した一郎も、自分の進むべき道に迷いがあるようで。
葉山を舞台に描かれる湘南キッチンシリーズ第三弾。
【感想】
今回は、STORY STORY YOKOHAMAさんから、特典付きのサイン本をお取り寄せ。
この湘南キッチンシリーズはお気に入りで、本棚に並べておきたいので、サイン本で欲しかったのです。
直接サインをいただいたこともあるのですけれどね(^^;;
もともと喜多嶋さんの作品はメッセージ性の強いものが多いのですが、このシリーズは、かなり直球のストレート。
何を恥ずかしいと思うか、何を誇りに思うか。それは人それぞれだとは思います。
けど、私は喜多嶋さんが描く登場人物たちのように、自分に恥ずかしくないよう、背筋を伸ばして、自分の足で一歩一歩地面を踏み締めて、生きていきたい。
このシリーズでは、1冊目から、貧困差や企業や政治家の不正問題を取り上げていて、今、何を考えるべきか、何を恥じるべきかということについて、考えさせられます。
私は10代の頃に、喜多嶋さんの小説から「人生の流儀」という言葉を教わりました。
人生は長く曲がりくねった道だけど、その道を歩く、自分の生きる流儀を決めるのは自分自身。
哲学とか、政治とか、そんな難しい分野でなくても、身近なところから、考えることは出来ます。
本作もそんなことを教えてくれる1冊になっていると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
連作だったんですね。いきなり3部から読んでしまった。
葉山が舞台です。 -
借金を残したまま母親が家を出て、一人になった18歳の海果
母親が入院、父親が不在の中学1年生 愛と2人で築50年の小さな居酒屋〈つぼ屋〉を切り盛りしている
その夏……台風で家が大きな被害を受けたうえ、近くにパスタのチェーン店が出店して売上が下がり大ピンチに
プロ野球復帰の思いを秘める若い漁師の一郎
左遷と離婚のピンチにある信金職員 葛城
低農薬農家の息子 耕平と母子家庭の少女 小織
選挙違反で父が逮捕された人気の若手俳優 慎
葉山の小さな料理店を舞台に、魚市場ではじかれる魚やイカと同じ〈戦力外〉の、けれど素朴で実直な人たちの人間模様を描く“潮風が吹き抜ける感動の物語”
《守りたい居場所が、ここにある》──帯のコピー
『潮風キッチン』『潮風メニュー』に続く第3作、2023年9月刊
カバーの写真にもなっている〈つぼ屋〉の新メニュー、食べてみたい