火鍛冶の娘 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 123
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041137932

作品紹介・あらすじ

火鍛冶(ほかじ)の匠を父に持つ少女・沙耶。鉄を鍛え、武器や道具を作り出す父親に憧れ、自分も火鍛冶になることを目指す彼女だが、この世界には、女は鍛冶をしてはいけないという掟があった。男と偽り、鍛冶を続けていた彼女に、都からとんでもない依頼が。それは20歳になる麗しの王子に、剣を鍛えてほしいというもので……。【登場人物】 ■沙耶(さや)……天才的な鍛冶の才能を持つ少女。男と偽って鍛冶の匠を目指す。■阿古矢王子(あこやおうじ)……伊佐穂の国の第一王子。恐ろしいほど美しい青年。■加津稚王子(かづちおうじ)……第二王子。武に秀でた、茶目っ気のある青年。■護足(ごたり)……武人。沙耶のもとを、剣の製作を依頼しに訪れる。

感想・レビュー・書評

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  • 女性は穢れているから(もしくは鍛冶の神は女性なので嫉妬されるので)鍛冶の仕事はできない。

    民俗学のお約束な禁忌ですね。そこを逆手にして、作品を作りあげているのは良かったと思うのですが。

    中途半端なとりかえばや状態にもう少し突っ込みを入れてもよかったのかなと個人的には思いました。

    ですが、楽しんで読ませていただきました。

  • 2011年3月角川書店刊。加筆修正して2023年8月角川文庫化。16歳の佐那は父から受け継いだ鍛冶の技術で剣を作るのだがそれが魔剣へと成長し…。という冒険ファンタジー。単純な展開で、面白みは少ない。ラストで語られる父と暮らした国への帰還とその後の営みが続く佐那一族の話が感慨深く楽しい。

  • 鍛冶を仕事にする父に息子はいない。沙耶は女でありながら鍛冶を仕事にしたい。一族の掟を破って鍛冶を続けられるのか。「女」が枷になることに嫌気がさしてしまう。
    魔剣が出来てしまうのはちょっと困るけどね

  • 戦いのシーンが迫力。

  • 「おれは沙耶だ。ただそれだけだ」
    男であること、女であること。
    それに囚われず自分自身であることを忘れずに生きる。
    とても難しくて、でも当たり前であるはずの生き方。
    そんなふうに生きられたら、素敵ですよね!

  • 設定は面白いけど、物語は可もなく不可もなくといった感じ。
    全体的にキャラクターも台詞もテンプレっぽくて、面白みに欠ける気がして残念だった。

    あと、これは個人的に、沙耶が剣を持って戦うのはなんか違う気がした。そこは鍛冶屋に徹して欲しかった。

  • 二本の剣による頂上決戦までが意外に早かったら、その後が長かった印象。
    何故女である沙耶が作った剣が魔剣となったのか。
    作り手と持ち主に親和性の高い共通点と、それでいて決定的に違う点が浮き彫りになったのが面白かった。
    古代の日本は女性の方が神がかっていたのだろうなと妙な説得力があった。
    説得力と言えば、女が鍛治をしてはいけない、神が許さないという掟に対してのある意味力技で答えを出したシーンもなかなか。
    あの存在を前にしたら、確かに人が作った掟など塵芥ものだろう。
    そのシーンもインパクトがあった。

    印象的なシーンは多い一方で、文章は淡白な感じ。
    すぱすぱ読めた。

  • 女の子なのに 男のふりをして 山の奥で鍛冶屋をやる。お父さんは亡くなってしまった。
    なんか こんな話し 読んだことがあるなあ!
    と思っても ついつい一気読みしてしまいました。
    王子の剣に宿った暗い闇の思い
    それが王子を別人のように変えてしまう。
    それを倒す剣を打ってくれ!
    それは 自分が女だと認め 神様からも認められないといけない。
    やっと打ったその剣を持って王宮に行くと
    邪悪なけんに心を吸い取られた王子は 実は女だった。
    剣を打つ人も剣を持つ王子も ありのままの自分を認めないと 邪悪な剣から逃げられない。
    女でいい ありのままの自分でいい
    この思いが 邪悪な剣を倒す。
    面白かったですね!
    パチパチパチ!

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。『水妖の森』で第4回ジュニア冒険小説大賞、『狐霊の檻』で第34回うつのみやこども賞受賞。作品に『送り人の娘』、『おっちょこ魔女先生』、『盗角妖伝』、「怪奇漢方桃印」シリーズ、「秘密に満ちた魔石館」シリーズ、「十年屋」シリーズ、「鬼遊び」シリーズ、「妖怪の子預かります」シリーズなどがある。

「2023年 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂1・2・3(3冊セット)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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