にっぽん製 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.35
  • (5)
  • (16)
  • (23)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 187
感想 : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041212158

作品紹介・あらすじ

ファッションデザイナーとしての成功を夢見る春原美子は、洋行の帰途、柔道選手の栗原正から熱烈なアプローチを受ける。が、美子にはパトロンがいた。古い日本と新しい日本のせめぎあいを描く初文庫化。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  談話室にて教えて頂いた一冊。巻末の解説にこの本を読んで感じた特徴がおおよそ書かれてあるので、ここにはちょっと気になった一文をピックアップしてみる
     「(略)でも死に急ぎすることはありませんよ。……私、ふたまわりも年上の女として言うんだけれど、人生って、右か左か二つの道しかないと思うときには、ほんの二三段石段を上がって、その上から見渡してみると、思わぬところに、別な道がひらけてるもんなのよ。そうなのよ」
     とてもいい言葉なのだけど、後に作者自身がセンセーショナルな自殺をしたことを思うとなんだか結果的に皮肉めいたものを感じる。彼はこの言葉を思い出すことはなかったのだろうか?

  • 読みやすく、50年前の日本に生きる人々のワンシーンを知ることができて興味深かった。

  • 西洋文化を最先端に取り入れているファッショナブルなマダム主人公の恋バナ。

    パトロンと元カレと今彼と、個性ありすぎの登場人物たちに振り回されて分かったこと
    心は結局「にっぽん製」だったのね。いい意味で。

  •  パリ帰りの飛行機の中で出会ったデザイナーの美子と柔道家の正。パトロンに囲われ、男に困らず、華やかなバタ臭い世界で生きる女と、亡き母の教えを尊び、柔道一筋の実直なにっぽん男児。巡り合わないはずの二人が出会い、彼女の嘘に正直な男がだまされ、堕ちてしまうのかと思いきや、孤独な女が愛を知る結果に。やっぱりにっぽんの魂、質実剛健がいちばんである。
     登場人物の名前の符号が面白い。女性は美子で「美」の象徴、男性は正で「正義」を表す。パトロンは金杉で「金」、泥棒であり正の舎弟になるのが根住(ねずみ)。さらに、美子の洋裁店ベニレスとは、フランス語で「うわべ」「見せかけ」という意味だそう。
     1952年当時、ハイカラな小説だったんだろうなあ。わかりやすいので、三島由紀夫を読んだことない人にもおすすめしたい。

  • F-1 日本の小説

  • 1952年に書かれた作品なのに、ちっとも読みずらさとか古臭さがありません。
    にっぽん製は三島由紀夫が27歳の時の作品です。

    三島作品は、小説なのに、すごく視覚的なところが大好きです。

  • 真実の愛が好きな三島御大。今回も彼のテンプレート通り。

  • ファッションデザイナーの美子と、柔道五段の正の青春恋愛もの。わかりやす過ぎるぐらいわかりやすい三島由紀夫によるまっすぐな青春小説でした。まだムキムキになる前の三島由紀夫が書いた小説だけど、ムキムキへの憧れがちらほら垣間見えて面白かった。

  • はじめて読んだ三島由紀夫さんの作品。試しに図書館にあった三島由紀夫さんの作品の中で一番薄い本を選んだのだけど、わかりやすく読みやすいことに驚きました。
     ココ・シャネルのような女性が、虚栄心も劣等感・優越感も超えて、自分にとって本当に大切なものを見いだす話なのかな、と想いました。
    他の作品も読んでみようと思えた作品です。

  • お洒落な雰囲気が出ている小説。
    柔道、ファッション、背景、50年以上前の小説にしては想像しやすい内容です。

全22件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

三島由紀夫

一九二五(大正一四)年東京に生まれる。本名、平岡公威。学習院高等科を経て東京大学法学部を卒業。在学中の四四(昭和一九)年に処女創作集『花ざかりの森』を刊行。戦後四七年大蔵省に入り翌年退官。四九年に刊行した『仮面の告白』で名声を確立し、以後、文筆活動に専念する。『潮騒』にて新潮社文学賞、『白蟻の巣』にて岸田演劇賞、『金閣寺』にて読売文学賞、『絹と明察』にて毎日芸術賞、『サド侯爵夫人』にて芸術祭賞などを受賞した。六八年、「楯の会」を結成し、七〇(昭和四五)年、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。

「2020年 『三島由紀夫 石原慎太郎 全対話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三島由紀夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×