非色 (角川文庫 緑 262-2)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 359
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041262023

感想・レビュー・書評

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  • ひさびさに読み応えのある小説でした。ずっと探しててやっと古本屋で見つけたんだけど、(しかもクーポンがあったからタダ)ほんとに読んでよかった。人種差別問題の本なのに先がきになってどんどん読み進みました。

  • 人間は色じゃない。
    ワーブライドで子供を生んだ日本人のお話。
    怒りとか、戸惑いとか。日本人同士のいがみ合いとか。
    本当の人間関係ってなんなんだろう。
    それでも私は、黒人を見ると少し引いてしまう。
    難しいな。

  • NYを舞台に、複雑な人種差別の構造と心理を抉った小説。差別は単純な二項対立や層構造から生まれるものじゃない。そして容易に壊せない。その上でどうするか…。考えさせられるわ。

  • 戦後生き抜くために英語を覚え黒人男性と結婚した主人公。日本では周りが羨む生活を送っていたけど、自分の子どもが差別されているのを目の当たりにして先に帰国した夫を追ってアメリカへ。

    住居はハーレムの地下室のような一室。仕事もろくになく、わずかな収入しかないのに、子どもはどんどん増え続ける。黒人であるが故に受ける差別、またその黒人よりももっと差別されるプエルトリコ人の悲惨な生活など、まだ差別が表から明らかだった時代のアメリカを舞台に主人公が差別の本質、根っこにある部分を問う一冊。

    まず、周りから反対されると意固地になって考えなしに行動する向こう見ずな主人公の考え方には共感できるところが少しもなかった。

    でも、作者が綴る世界はとても現実的で、人の汚い部分、弱い部分、そしてやり場のない思いを言葉にしていてそれが痛かった。差別っていうものを一緒になって考えずにはいられなかった。

  • 戦後に黒人のアメリカ兵と結婚した日本人女性の話でした。アメリカの人種差別の中で、立ち上がるでもなく鬱々と暮らす人々。見下す側だと思っていた白人の中にも階層が存在し、見下される黒人の中でもさらに階層が分かれ、見下しあっては鬱憤を晴らす…というアメリカ社会の陰の部分を身をもって体験した日本人女性。昭和の話だというのが信じられません。戦後のリアルな世界がありました。

  • 人種問題の理屈じゃなさ、根深さに途方もない気持ちになります。「匂い」により描かれる有吉の世界ですね。

  • 人種差別について考えたいときに。一気に読めます。

  • 人種差別を描いた一冊。戦後のあまりにも激しい差別と戦争花嫁という時代に流された女性の一生を描く。差別とは何かを考えさせられる。

  • [05.07.23]<ao

  • 20代で友達に勧められた作品。衝撃的だった。
    数年後読み返してみて改めて、その凄さと悲しみを感じた一冊だなぁ。

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著者プロフィール

昭和6年、和歌山市生まれ。東京女子短期大学英文科卒。昭和31年『地唄』で芥川賞候補となり、文壇デビュー。以降、『紀ノ川』『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『複合汚染』など話題作を発表し続けた。昭和59年没。

「2023年 『挿絵の女 単行本未収録作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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