白鳥の王子ヤマトタケル 西戦の巻 上 (角川文庫 く 1-4)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041268582

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  • 大和王朝の王子であり、勇猛にして心優しき英雄、倭男具那。彼は女王・倭姫王の託宣に従い、熊襲と呼ばれ、九州で猛威をふるう狗奴国との戦いに出陣することを決心する。西を目指す男具那、その途には、狗奴国の勢力の北上にともなって各地で蜂起する賊たちが立ちはだかる。そして、女人剣士・羽女らを軍に加え、宇沙地方を跋扈する賊・鼻垂との壮絶な戦の幕は開いた―。日本最古の英雄、ヤマトタケルの生涯を描く歴史叙事詩、待望の第二弾。

  • 白鳥の王子(大和の巻)の続編。
    倭男具那が父のオシロワケ王(景行天皇)に九州の熊襲討伐を命じられ,熊襲の首長である川上建(カワカミノタケル)を討つまでのストーリー。
    九州は卑弥呼が支配していた頃は邪馬台国が熊襲(九州南部の国)の北上を抑えていたが,邪馬台国が大和に移って以来,熊襲は九州北部に勢力を伸ばしていた。
    三輪王朝の王であるオシロワケ王は,九州北部の熊襲に対抗する国からの応援を求められた。断れば倭の国を代表する権威もなくなるため,西討には男具那を送った。
    男具那には,男具那の妻の弟橘姫の兄である穂積内彦,葛城宮戸彦,吉備武彦,久米七掬脛(ナナツカハギ),日向襲津彦,それと,オシロワケ王と王の座を巡って対立し自殺してしまったイリヒコ王の側近だった丹羽森尾の孫である丹波猪食らが付き添った。
    見事川上建を倒した男具那は,建の死に際に『自分の名前をもらってくれ』と頼まれ,見事に戦って死んだ建の名をもらい,それ以降は倭建(ヤマトタケル)と名乗るようになった。
    話は戦を中心に進み,所々で男具那と部下のユーモラスな掛け合いが男具那の慕われる人格をより浮かび上がらせている。
    全2冊。

  • 膨大な量ではあったが、
    黒岩ヤマトタケルに魅せられて
    時には寝る間も惜しんで一気に完読。

    ヤマトタケルを囲む従者の存在がとてもいい。

    筆者想像の人物である丹羽猪喰に惚れてしまった(笑)

    筆者の解釈ではあるが
    これこそが事実だったように思えてならない。

    というか、こうであってほしい。
    そう思わずにはいられないほどとても引きこまれる作品だった。
    自分のこの嵌り具合からして、
    おそらく今後何度も読み返すんだろうなぁ^^;

  • 神話
    ヤマトタケル

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著者プロフィール

1924-2003年。大阪市生まれ。同志社大学法学部卒。在学中に学徒動員で満洲に出征、ソ満国境で敗戦を迎える。日本へ帰国後、様々な職業を転々としたあと、59年に「近代説話」の同人となる。60年に『背徳のメス』で直木賞を受賞、金や権力に捉われた人間を描く社会派作家として活躍する。また古代史への関心も深く、80年には歴史小説の『天の川の太陽』で吉川英治文学賞を受賞する。84年からは直木賞の選考委員も務めた。91年紫綬褒章受章、92年菊池寛賞受賞。他の著書に『飛田ホテル』(ちくま文庫)。

「2018年 『西成山王ホテル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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