女王蜂 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 1493
感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304112

感想・レビュー・書評

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  • 幼い頃にテレビで見た「女王蜂」のストーリーを思い出したくて文庫を手に取りました。
    募る想いと魅入られる人生の窮屈さを感じた一作。
    トリックよりも動機や人間関係の方に味があり、感情や行動、台詞におもしろさがありました。
    文体の視点が映画的で、一人称がなくナレーターがいるタイプ。特別な感情移入する事なく、観客でいることができる作風です。
    やはり私は美少女が好きなので、次は「夜歩く」を読む予定です。

  • 盛りだくさんのトリックでした。哀愁漂う雰囲気が良かったです。

  • 伊豆の南にある月琴島に住む大道寺家。その末裔で絶世の美女・智子が18歳になり、東京の義父に引き取られることになった。そこへ舞い込んだ脅迫状。智子の周りで巻き起こる殺人は19年前に島で起きた実父の変死事件へと繋がっていく。

    19年前に島で発生した変死事件と、伊豆の高級ホテルや歌舞伎座で発生していく連続殺人事件。その中心にいる二人の美女。時間を超えた事件を繋ぐのは、封印された開かずの間。女王蜂という怪しげな響きと、蝙蝠という言葉の謎。めくるめく謎と回る因果にワクワクが止まらなかった。開かずの間に始まり、開かずの間に終わる。その扉が開いて風が吹き込んだ時、すべては終わり、また始まるのだ。終わり方が美しくて好き。

    金田一耕助は相変わらず殺人を阻止できないけど、この軽やかさと終盤の推理力と人情味がいいんだよね。今回はやり手の加納弁護士を通した謎の依頼人との駆け引きも見どころ。そして、智子もまた魅力的。島から出た途端に外界の悪意に晒され、己の出自を疑いながら行動していく強さがいい。甘い蜜とチクリと残る針の痛み。それなりの長さはあるものの、おどろおどろしい雰囲気はなくライトで読みやすい方だと感じた。

  • 映画より、動機がシンプルでよかった。
    ただ主役は中井喜恵ではない。すごい美人ではない。
    女王蜂というタイトルも今一あっていない。

  • こんなに長い話だとは思わなかった(息切れ)
    美人な女性に群がる男性陣が悉く殺されるこの惨劇の始まりとなった事件まで解き明かすのだから、それは当然か。
    でも、その長さを最後まで飽きさせずに読ませられるのは、流石の筆力だと強く感じた。
    息切れ起こしているのは、単にこちらの体力がなかっただけの話である。
    (何しろ面白いのに4日かかった)

    脅迫文に密室殺人(しかも2種類)時間差トリック、ミステリの要素盛りだくさんなところに、謎の男性陣の登場も多く、内容も濃い。
    その割に、視点はくだんの女性か、謎の男性寄りなので、金田一探偵の存在感がやや薄い。
    第三者から見た金田一探偵みたいな感じで、それはそれで面白かった。

    ただ終盤、その謎の男性の影が薄くなっちゃったのは勿体なかった気がする。
    まあ拘束されていたから、仕方ないね。
    最後美味しいところ持って行くから仕方ないね。
    これだからイケメンは……

  • 登場人物がみんな個性豊か。それほどドロドロはしてなかったけど、やっぱり事件はそれぞれの想いが交錯して起こるんですよね~

  • 出てくるメンズがだいたいキモくて笑っちゃった 智子お嬢様が孤高の女王蜂として君臨し数多の男どもを這いつくばらせ踏みにじるがその魅力で全部許される話かと思ったら違った。結局グッドルッキングガイと結婚か~~~い!そんならもうちょい多門くんに活躍してもらいたかったな~ 私は神尾先生好きですよ!!

  • 毎回絶世の美女が出てくる、、
    悲しい運命の連鎖から最後脱することができ、よかったです!

  • ◆読書記録2冊目
    ◆No.070
    ◆2読了目

  • とにかく抜群の面白さ。読んだこともあるし、テレビでも何度も観たはずだけど、全く覚えていないことが衝撃だった。

著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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