田辺聖子の小倉百人一首 下 カラー版 (角川文庫 た 5-26)
- KADOKAWA (1992年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041314265
感想・レビュー・書評
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(2016.05.14読了)(2014.07.14購入)
百人一首の51番から100番までが解説してあります。
平安女流文学の面々と『平家物語』に登場する方々の和歌が多く含まれています。
『蜻蛉日記』の右大将道綱の母
『和泉式部日記』の和泉式部
『源氏物語』『紫式部日記』の紫式部
大弐三位は、紫式部の娘
『枕草子』の清少納言
崇徳院、待賢門院堀河、西行法師、法性寺入道前関白太政大臣、等は、『平家物語』の登場人物です。
日本の古典をあまり読んでいない方にとっては、古典への入門になると思いますし、日本の古典を読んできた方にとっては、知っている人たちに再会したような気になれるでしょう。
●『枕草子』と『蜻蛉日記』(23頁)
あっけらかんと面白くってその実、ピリッとからくて、という『枕草子』がいい。しんねりむっつり深刻に思い込み、邪推と嫉妬と意地の張り合いに身をすり減らすという『蜻蛉日記』はいっぺん読んだらたくさん、という気がする。
●オトナの男(95頁)
男が若い女ばかりに関心を持つのは、種族保存のオスの本能でっせという説を男たちは信じているが、なーに、おとなの女と丁々発止とやり合う自信がないだけのことである。一人前の女とチャンと渡り合い、言い寄ったりはねつけたり、恋させたり恋したり、ということができるのこそ、大人のオトコの貫禄というものであろう。
●月影(183頁)
影は光ですよ、月影は月の光
☆関連図書(既読)
「私の百人一首」白洲正子著、新潮文庫、2005.01.01
「田辺聖子の小倉百人一首(上)」田辺聖子著・岡田嘉夫絵、角川文庫、1992.12.25
(2016年5月17日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
古くから日本人に愛された望郷歌、若々しい匂いやかな恋歌、機才・頓智が人気の歌、四季の風趣を愛で静かな情感をたたえた歌。王朝びとの風流、和歌のみやびを心ゆくまで堪能できる百人一首。私たち、現代人にも通じる感懐をうまく掬いあげ、千年を歌いつがれてきた、魅力の本質をユーモラスにユニークに抽出した、楽しい百人一首入門書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上巻に同じ
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岡田嘉夫さんのイラスト入り「カラー版」。文章だけのものをずいぶん前に買ったのが行方不明中。たまたま本屋でこの絵入りを発見してまた読み出しました。
前回は百人一首を暗記するために買ったのに、作者の解説に惹き込まれて覚えやしなかった。今度もだろうな…。 -
分かりやすい周辺説明のある百人一首。教科書読むくらいなら・・・