産業士官候補生 (角川文庫 緑 357-19)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041357194

感想・レビュー・書評

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  •  中学生の頃だろうか。近くの図書館から借りてきて、むさぼるように読んだのを覚えている。当時の私には、眉村氏が描き出すSFの世界がまさに近未来に思えた。

     この本に出てくる9つのストーリーは、ほぼ完璧に忘れ去られていたはずなのに、読み始めたら鮮やかに記憶が蘇ってきた。パイオニア・サービスの無任所要員 杉岡勉、クイズマンのミト・ユズル、筋肉手術を受けて表情術をマスターする小松原和子・・・。どのキャラも限りなく魅力的だ。

     7年間の研修を経て産業将校を育成する「産業士官候補生」も、なかなかユニークなストーリーである。そういう自分も4年間も研修を受けていたことを思い出した。そして、どことなく村上春樹の世界をイメージさせる「スラリコ・スラリリ」。

     いやあ、中学生の私が夢中になるのもわかります。久しぶりに心底面白い本を読みました。

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著者プロフィール

1934 - 2019。SF作家。1979年に『消滅の光輪』で泉鏡花文学賞および星雲賞を受賞。また1987年に『夕焼けの回転木馬』で日本文芸大賞を受賞。代表作にジュブナイルSFの名作といわれる『なぞの転校生』『ねらわれた学園』などがある。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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