ねこに未来はない (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041409022

感想・レビュー・書評

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  • 猫好きの人には割りと有名な本なのだが、詩人としての表現が、読者にとってのこの本に対する好き嫌いを大きく分けている。
    当時(1970~80年代)飼っていた猫を溺愛していた僕にとっては、とても楽しく読めた本なのだが、最近の日本で猫を買っている人達とはペット事情を含めたその感覚も異なるようで、現代の読者は氏が猫を愛していないと感じる人もいるようだ。
    あの頃の日本では、猫は自由に生活しており、飼うという認識がないというか飼い主は猫を束縛していなかった。
    「犬は人につき、猫は家につく」といわれるように、確かに猫は家を意識してはいるのだが、食事と寝床以外は、生死を含めて縄張りを自由気ままに歩き回って生活していたのだ。
    それゆえ、氏の愛した猫達も突然帰ってこなくなったり、他の猫と喧嘩して亡くなったりする。
    それが詩人としての表現で書いてあるものだから、その表現の紙背を読めない読者は混乱するのかもしれない。

  • 「ねこには未来はない」というタイトルが刺激的。未来がないってどういうこと?絶滅するってこと?まあまあ、読んでみて!

  • 猫を飼ってみたい。けど猫を飼うって大変なんだなぁ、かわいいだけじゃないのよね、と当たり前のことを読み終わった後に感じた。
    猫のことは今現在猫を飼っている人だけにしか語ることができない、という表現に納得。ということは私はまだ猫のことを知っていることにはならないんだなぁ。

  • おや? 表紙の絵が変わっている。昔、私が読んだときには、長新太さんの赤いネコの絵だったのに。本の中身も好きでしたが、表紙も好きでした。「ねこに未来はない」というのは、「ねこの前頭葉はとても小さいため、ねこは未来を関知する能力がない」という意味です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「長新太さんの赤いネコの絵」
      そう他のイラストは考え難いのですが、角川のサイトには、単色のイラストが載ってますね。。。どうして変えちゃった...
      「長新太さんの赤いネコの絵」
      そう他のイラストは考え難いのですが、角川のサイトには、単色のイラストが載ってますね。。。どうして変えちゃったんだろう?
      2014/04/30
    • ぽんきちさん
      nyancomaruさん

      あ、また戻ってますね。そうそう、これでなくては。
      表紙は本の顔なので、できたらあまり変えないでほしいなぁと...
      nyancomaruさん

      あ、また戻ってますね。そうそう、これでなくては。
      表紙は本の顔なので、できたらあまり変えないでほしいなぁと思います。
      2014/04/30
  • きっとわたしも、猫好きな人と結婚する。

  • 世の中の猫好きはこれを読んでどう思うのでしょう。
    世の中の猫好きとは、猫を愛しつつも一度ならず猫を失い、なおまた違う猫に猫なで声で「おいでおいで」と手招きせずにいられない人たちのことを言うのではないでしょうか。
    そうした人たちはこの本に慰められつつも泣かされて切なくさせられて、そしてどうもショッキングなこのタイトルについて説明する項で、ホッとさせられるのではないでしょうか。
    とりあえず私は最初の猫を亡くした小学生の時、おんおん泣いてこの本に慰められたものです。やつらについてはしょうがないのさ、次を探せよ、と。

  • ねこに未来はないのです。

  • 半分ぐらい読んだところで気づいたけど、多分これ昔読んだわ。
    ねこ嫌いの人が、ねこ好きの女性と結婚し、ねこを飼ってねこ好きになってく話。特徴的な文体で、好きな人は好きな気がする。話としては、淡々と日記のように進んでいって、ちょっと悲しい感じで終了。
    まぁまぁ面白いかな。

  • 2007年12月26日(水)、読了。

  •  ねこ嫌いだった僕が、ねこ好きの奥さんと結婚して、ねこを飼うようになりました。ねこを巡った人間の心模様を綴るエッセイ。<br><br>

     生き物を飼うと、様々なことを学べます。その点で、猫からは沢山の事を教えてもらえそうです。読み終えた時、猫を飼いたくて仕方なくなりました。<br>
     読みやすいのになかなか読み進まない。詩人が書いたせいか、とっても密度が濃くて、表現も綺麗。童話めいた文面だけど、作者は知性に溢れた人なのが分かります。<br><br>

     裏表紙の猫の絵が可愛い・・・表紙のような赤い猫なんていないけど、このエッセイの中には何匹も登場している気がします。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「作者は知性に溢れた人」
      長田弘の詩集やエッセイを読むと、ありふれた日常に優しく温かなものが沁み込んできます。或いは、遠くの知らない世界に...
      「作者は知性に溢れた人」
      長田弘の詩集やエッセイを読むと、ありふれた日常に優しく温かなものが沁み込んできます。或いは、遠くの知らない世界に生きる人に陰ながらエールを送りたくなります。。。
      2014/04/30
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著者プロフィール

長田弘(おさだ・ひろし)
1939年、福島県福島市生まれ。早稲田大学第一文学部独文専修卒業。詩人。65年、詩集『われら新鮮な旅人』でデビュー。98年『記憶のつくり方』で桑原武夫学芸賞、2009年『幸いなるかな本を読む人』で詩歌文学館賞、10年『世界はうつくしいと』で三好達治賞、14年『奇跡―ミラクル―』で毎日芸術賞をそれぞれ受賞。また、詩のみならずエッセイ、評論、翻訳、児童文学等の分野においても幅広く活躍し、1982年エッセイ集『私の二十世紀書店』で毎日出版文化賞、2000年『森の絵本』で講談社出版文化賞を受賞。15年5月3日、逝去。

「2022年 『すべてきみに宛てた手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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