海辺の扉 上 (角川文庫 み 6-6)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 204
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041469064

感想・レビュー・書評

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  • ギリシャにいる 宇野満典は、
    自分の子どもを 過失で 死なせた。
    そのことで、妻とうまく行かず、10年前離婚した。

    そして,ギリシャで生活し、
    シンガポールで 出会った 
    ギリシャ人のエフィ と結婚した。

    子どもを死なせたことを エフィに話していなかった。
    そして、宇野満典は 運び屋のような仕事をしていた。
    そのことも,エフィに話していなかった。

    エーゲ海のクールズに エフィで出かける話を
    聞いて 宇野満典は 日本に帰ろうと思った。
    そして,エフィを つれて、危ない仕事をしようとしていたが
    うまく行かなかった。

    宇野満典は 戻って エフィの兄 クレオに
    ひどく殴られる。母親も 脳疾患をおこす。
    そして、一人でかえろうと思うのだった。

    さまよう 宇野満典。
    どこまでも 異邦人として 生活し
    自分のアイデンティティを みいだせない。

    何か,辛い物語である。

  • 宇野満典は、息子の死をきっかけに、逃げるようにギリシャにやって来た。ギリシャでの生活は4年に及んでいたが、人生に対する諦念にとりつかれ、あやしげなつなぎ屋をして稼いでいた。
    しかし、すべての過去を隠し、欺いて結婚したギリシャ人のエフィーは、そんな満典をすべて理解し、日本でやり直す決心を起こさせた。
    そうして帰国を前に引き受けた最後のつなぎ屋の仕事が、二人を大きな犯罪の渦に巻き込もうとしていた…。
    再会と再生をテーマに、過去を悔やむばかりで前に進むことのできない満典を、聡明で前向きな強い女性エフィーが未来へ導く。宮本氏の他の作品にも共通するが、ミステリー仕立てでありながら、人間や人生の本質に迫る、深い作品である。

  • 宮本輝さんの作品の中でもわたしの好きな、海外が舞台の作品。
    今回の主人公は自分のせいで子供を死なせてしまっていて、背負っているものが重たいからストーリーも暗い。
    でもエフィーっていう主人公の奥さんの強さが救い。
    彼女は何を信じてこんなに強くいられるんだろう?
    怪しげで頼りない旦那なのに、エフィーは旦那をすごーく信じていて揺らぎが無い感じ。
    わたしだったら絶対ダメ(T_T)疑心暗鬼でおかしくなっちゃう。
    あ、でもちょっと思ったのは、自分を信じているから人も信じられるのかなってこと。

  • うーん。続きを読みたくなる感じではない。
    身近には絶対ないなってゆう話で
    あんまり感情移入もできませんでした

  • 0280218

  • まあまあ。それなりに。

  • 宇野満典は息子を誤って死なせてしまった。その息子との「再会」は果たして起こりえることなのだろうか。

    誰しも生きていくうちに、人との永遠の別れを経験する。その失われた生命との再開。傷つき乗り越えられない自分自身の再生をギリシャを主な舞台に描いている。

    この作品でも宮本輝さんは、目に見えない如何とも開け難い「重い扉の開け方」を主人公を通して伝えてくれている。意味の無いものなんて無い、このような言葉がどこからか聴こえてきた。

    「エミ」という名前は、二人の頭文字からつけた名前なのかなァ。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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