僕って何 (角川文庫 緑 478-5)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 309
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041478059

感想・レビュー・書評

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  • 読むのに体力が必要。
    大学紛争時代の青年の話し。
    周りに流されなんとなく過ぎ女に振り回され。
    誰もが経験するような、怠慢や疑問にあふれる年頃。

    大学紛争そのものを想像し難く、感情移入ができず、
    薄手なのに読破するのに一週間近くかかってしまった。

  • 最近の安穏とした学生生活から振り返ると、学生運動はこんなに激しかったのか、とびっくりする(今までも村上龍『69』とかは読んだことあるけど、こんな風に描写されてたかな?)。
    主人公の主体性のなさは確かに最近の小説に通じる部分もある。当時の感覚からすると新しかったのかな。
    ただ最近の小説はすっかりこういう政治的な題材とかは扱わなくなっていると感じる、というよりやっぱり学生運動とかマルキシズムとかがあったころは、今と全然空気も違ったんだろうか。

  • タイトルの通り、自分が何なのか分からない「僕」が、自分とは一体どのような存在なのかを探す本。「自分探しの旅に出る」と言っていても、勇気がなければ旅には行けない。「僕」のように、レイ子や委員長や海老原などといった自分に刺激を与えてくれるような人に会って行くということが、一番手っ取り早い自分探しの方法なのではないかと思う。現在では学生運動など起こることはないけれども。ある意味この時代に大学生になった「僕」が羨ましいと感じる。主人公の「僕」について、私は自分に似ている点がいくつか見つかり、少しだけ落ち込んだ。他人の意見に流されるところ、考えに考えても結局その場の勢いで行動してしまうところ……。結構当てはまったように思う。必死に自分は何なのかを模索していく「僕」は、その答えを見つけ出すことができたのだろうか。こういうダメな主人公の場合、度々どきっとさせられます。

  • 自分という無理解・虚数は炎に煙のように簡単に掴めないものだ。どのように料理するかすらわからないし、すぐに崩れてしまい、消滅する。砂の如くさらさらし、湿気が強ければじめじめする。ヘドロのように汚いし、ネバつく。しかも、捨てることなんてできやしない。自己や自我といった仮想概念の取り扱いがいまだにわからない人が多いんだ。着ぐるみを着て、自分を隠す人も多い。認められないんだ、たったひとつの自分を。

  • おもしろくなかった。
    大学生になった僕が主人公。ただなんとなく学生闘争に巻き込まれ、自分の意見がなく、人に流される。読んでてもやもやする。

  •  ところどころ非常に共感を覚える個所があったものの、やはり私の知らない時代を背景にしているところと、主人公が男性であるということでイマイチ「?」な部分も多々あり。
     主人公よりもレイ子と、主人公の母親の心情に入れ込んでしまった。

     リアルタイムで読みたかったなあと思って発表年を見たら私は生まれていない年で……いい意味で残念に思った。

  • ワタナベとは違う目線の同時代を描く

    田舎から東京の大学にやってきいったい僕はどうやって生きていくんだろう?学生運動、年上の女性との同棲などを通して心の葛藤を描く青春小説。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4041478057
    ── 三田 誠広《僕って何 1977-20080904 河出文庫》
     

  • よく、分かる。
    この主人公「僕」の気持ち、とても良く分かります。
    そして、これを読んで、自分が思ったりしていることに、
    答えは結局ないんだななどと思いました。

    私はずーっと、心のどこかに中学生の自分を抱えています。
    たぶん、その中学生の私が「そうだ!」と全力で叫んだ小説です。

    分かってしまう自分を少し歯がゆく思ったりするのでした。

  • みうらじゅん。

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著者プロフィール

(みた・まさひろ)小説家、武蔵野大学名誉教授。1948年生まれ。1977年、「僕って何」で芥川賞受賞。主な作品に、『いちご同盟』、『釈迦と維摩 小説維摩経』『桓武天皇 平安の覇王』、『空海』、『日蓮』、『[新釈]罪と罰 スヴィドリガイロフの死』、『[新釈]白痴 書かれざる物語』、『[新釈]悪霊 神の姿をした人』、『親鸞』、『尼将軍』、『天海』などがある。日本文藝家協会副理事長、日本文藝著作権センター事務局長も務める。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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