- Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041478059
感想・レビュー・書評
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読むのに体力が必要。
大学紛争時代の青年の話し。
周りに流されなんとなく過ぎ女に振り回され。
誰もが経験するような、怠慢や疑問にあふれる年頃。
大学紛争そのものを想像し難く、感情移入ができず、
薄手なのに読破するのに一週間近くかかってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近の安穏とした学生生活から振り返ると、学生運動はこんなに激しかったのか、とびっくりする(今までも村上龍『69』とかは読んだことあるけど、こんな風に描写されてたかな?)。
主人公の主体性のなさは確かに最近の小説に通じる部分もある。当時の感覚からすると新しかったのかな。
ただ最近の小説はすっかりこういう政治的な題材とかは扱わなくなっていると感じる、というよりやっぱり学生運動とかマルキシズムとかがあったころは、今と全然空気も違ったんだろうか。 -
自分という無理解・虚数は炎に煙のように簡単に掴めないものだ。どのように料理するかすらわからないし、すぐに崩れてしまい、消滅する。砂の如くさらさらし、湿気が強ければじめじめする。ヘドロのように汚いし、ネバつく。しかも、捨てることなんてできやしない。自己や自我といった仮想概念の取り扱いがいまだにわからない人が多いんだ。着ぐるみを着て、自分を隠す人も多い。認められないんだ、たったひとつの自分を。
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おもしろくなかった。
大学生になった僕が主人公。ただなんとなく学生闘争に巻き込まれ、自分の意見がなく、人に流される。読んでてもやもやする。 -
ところどころ非常に共感を覚える個所があったものの、やはり私の知らない時代を背景にしているところと、主人公が男性であるということでイマイチ「?」な部分も多々あり。
主人公よりもレイ子と、主人公の母親の心情に入れ込んでしまった。
リアルタイムで読みたかったなあと思って発表年を見たら私は生まれていない年で……いい意味で残念に思った。 -
ワタナベとは違う目線の同時代を描く
田舎から東京の大学にやってきいったい僕はどうやって生きていくんだろう?学生運動、年上の女性との同棲などを通して心の葛藤を描く青春小説。 -
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4041478057
── 三田 誠広《僕って何 1977-20080904 河出文庫》
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よく、分かる。
この主人公「僕」の気持ち、とても良く分かります。
そして、これを読んで、自分が思ったりしていることに、
答えは結局ないんだななどと思いました。
私はずーっと、心のどこかに中学生の自分を抱えています。
たぶん、その中学生の私が「そうだ!」と全力で叫んだ小説です。
分かってしまう自分を少し歯がゆく思ったりするのでした。 -
みうらじゅん。