ある中学生の死 (角川文庫 緑 561-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041561027

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  • 85058

    23 教育、サラ金、マイホーム、蒸発問題などを追ったドキュメント。

    ――――――――――――――――――――――――――――

    ※再読(1982)

    やとわれた男/ドナルド・E・ウェストレイク

    85059

    28 まあ平均的な出来。一応ハードボイルドの形は整ってるが、もっと何か欲しい。

  •  本書は読売新聞の社会面に連載された記事をまとめたものです。それぞれの連載に対する読者からの感想・叱咤なども併せて掲載されており、また、それに対する社会部記者の考えも述べられています。

     どのような連載記事かと言えば、実際に起きた事件について取材する様子を「小説ふうに」書くものです。方々まで調査に向かい、そこで手にする事柄から事件を改めて推測する。そういった意味では、記者を目指している人にとっては一読の価値はあるのかも。また、随所に記者としての心構えや記者の精神が表れていてチョー面白いです。(゜ー^)

     まあ、かなり古い本ですからねえ。僕が生まれるよりも前に出版されています。ノンフィクションとはいえ、今となっては風化してしまった内容であることは否めません。それぞれの事件も中学生の自殺や一家心中などで、歴史に残るほどのものでもない。
     忘れられた事件というのはリアリティや読み手の探究心を欠如させちゃうんじゃないでしょうか? そうすると、2009年において『ある中学生の死』は小説などと同じ部類の読み物にも見えてしまうのです。でも「小説ふう」とはいえ、本書の基は新聞の記事。本来、小説などのように「鑑賞」という視点は相手にしていない。だったら「鑑賞」するために書かれた小説を読んだ方が・・・ということになりかねない。
     誤解のないように書きますが、ノンフィクションなので、事例を知るためには有効な本であることは間違いないです。例えば、中学生の自殺という問題を調べているのであれば、本書の「ある中学生の死」は読む価値があると思います。同様に野良犬・捨て犬問題や動物安楽死、動物愛護について考えるのであれば「野良犬コロはどこへ行った」を読んでもいいのかもしれません。しかし、全編を通読する価値は、残念ながら、失われているのではないでしょうか。

     そんなわけで、以下の目次に興味深い記事を見つけた方、あるいは記者の精神を目にしておきたい方は是非読んでみたらいいと思います☆


    【目次】
    ある中学生の死
    マイホーム崩壊す
    野良犬コロはどこへ行った
    お父ちゃんを返せ
    パンの耳
    真実に近づくために(あとがきにかえて)
    解説 村崎芙蓉子

  • 1985・5・30 6版 291p ISBN 4041561027

  • 記者のレポート。特に自殺なんて第一報の時はほとんど真実なんか分からない。警察も他殺ならともかく明らかな自殺ならそれ以上のことは調べない。それでは納得できない私のような人にこういう記者の姿勢はありがたい。どれだけ調査しても本当の真実にたどり着くことはない(尾崎みたい)。でも漸近線のように限りなく近づくことはできるはず。読売信条:真実を報道する……なのになんで先生の勇退の時はないことないこと書いた?私は読売だけは許さないと心に決めていた。でもこの頃読売は先生の書物を出版したりヒューマニティあふれる行動を取ったりしている。悩む。<br><br>
    9月、14歳、分からない動機の自殺……現代っ子の典型といわれた事件も丹念な調査で一つの原因が見つかる。新築の家で家族が心中。しかも子どもも納得していたよう。苦労して育った主人がはまってしまったローン地獄。それでも手放したくなかったマイホーム。動物愛護とは?捨て犬をわざわざ引き取って安楽死させる人々。サラ金の取り立てに耐えられず蒸発した父を待つ母子。パンの耳をかじってでも5人?の子どもを育てた母が衰弱死。父も一年後事故死。どれもこれも捨て置けない事件。記事を見てたくさんの人からお金が集まる。マスコミも非情なやつらばかりではないのだと気づいた。'92

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