暗闇にノーサイド 2 (角川文庫 緑 616-52)

著者 : 矢作俊彦 司城志朗

• KADOKAWA (1986年3月1日発売)

感想・レビュー・書評

[tyotk - 東京与太郎さんの感想 · 2010年4月10日]

機知と諧謔と換骨奪胎の冒険、青春、娯楽小説

世界を半周して、追い掛ける復讐劇は、アドミラズ・カップの日、フランスの古城で完結する。

エースのジョウ率いる多国籍傭兵部隊と共に、日本の軍人に育てられたフランス被れのカンボジアの将軍を、主人公が追い詰める。中国の公安、MI6のチャリー・マフィンなども登場し、使用兵器、装備、車両は全て考証済みの固有名詞付き。

上巻と打って変わって、舞台はフランス一辺倒でも、客家の虎から贈られた1億ドルを元で、派手で、緻密な攻城戦での描写は、その準備段階から豪華絢爛、前人未踏。

極上の娯楽小説をお楽しみあれ。
関川夏央が後書き。

1983年にカドカワノベルス、1986年に角川文庫で読了。

著者プロフィール

1950年、神奈川県横浜市生まれ。漫画家などを経て、1972年『抱きしめたい』で小説家デビュー。「アゲイン」「ザ・ギャンブラー」では映画監督を務めた、『あ・じゃ・ぱん！』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、『ららら科學の子』で三島由紀夫賞、『ロング・グッドバイ』でマルタの鷹協会・ファルコン賞を受賞。

「2022年 『サムライ・ノングラータ』 で使われていた紹介文から引用しています。」