- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041626177
作品紹介・あらすじ
妖猫に取り憑かれた劉家の妻が唄った歌。それが、およそ60年前、詩仙李白が玄宗皇帝の寵妃・楊貴妃の美しさを讃えた詩だと知った空海と逸勢は、偶然知り合った後の大詩人・白楽天と共に馬嵬駅へ行き、楊貴妃の墓を暴くことに。だが驚くべきことに、そこには妖しい呪がかけられていたうえ、石棺の中に楊貴妃の姿はなかった-。そんな空海に、謎の方士・丹翁は「このことは忘れよ」と警告するが…?中国伝奇小説の傑作、第2弾。
感想・レビュー・書評
-
楊貴妃、阿倍仲麻呂…登場人物がそろい、前半が終わる。いよいよだが、謎は深まりまだ続く。謎がどうなるか非常に気なる、次に期待だ。楊貴妃の死については歴史ミステリーですな。
-
偶々、空海に何となく親しみを覚えるようになっていて本作に出くわしたのだが、4冊の文庫本が在る様子を見て「唐で色々なことに出くわす空海という感じの短篇、または中篇が折り重ねられている」という様式を想像した。が、それは正しくなかった。正しく「巻之一、巻之二、巻之三、巻之四」と「続く」ようになっている「長い物語」であった。
巻之一では、唐に入った空海が幾つかの出来事を経験し、“妖物”に纏わる怪事件に出くわす。
巻之二では、出くわした怪事件に過去の大きな事件が関わっていることが明かされる。
以下、巻之三、巻之四へ続く訳だ。
本当に夢中になってしまう作品だった… -
唐の時代。
楊貴妃の死の秘密にまつわる怪異について空海が切り込むお話だけど、本当に『陰陽師』そっくりなムード&登場人物設定です。
話の内容は面白いし、文章は味があるし、『陰陽師』で「呪」について晴明が話すように言葉の大切さとそれに振り回される人間の弱さなども描いていてリズムも良いのだけど、なんで全く『陰陽師』と同じようなことをやっているんだろう…という違和感がぬぐえない。
角川の完全総指揮で『陰陽師』みたいな映画が作りたいとか大人の事情でもあったのかな?
どうせ同じなら『陰陽師』でこれくらい規模が大きい日本での話を読みたいと思ってしまって、どうにも入り込めません。
先に映画を観ちゃったから、空海=染谷くん=麒麟の織田信長って連想になっちゃうのも読書の妨害になっています。 -
空海の人たらしっぷりは巻ノ一で存分に発揮されたが、白楽天も実は人たらしではと思えるやりとりがいくつか。巻き込まれたのか、巻き込まれるべくして巻き込まれたのか。空海が遭遇した怪奇な出来事は思わぬ方向に進む。「何かができることと、その人間が恐いということとは別の問題なのだ」空海と逸勢のやりとりが深くて、微笑ましくて、哲学的で好きだ。人の想いが強すぎて、複雑な気持ちになるが。だからこその道教、儒教、仏教が発生してきたのかと思ってみる。
-
さらに謎が深まってゆく2巻。阿倍仲麻呂の手紙が良かった。でもなんか時々牡丹の幻想モードに入るとちょっとだるくなる
-
第二巻は、日本人が知っている中国の歴史上の人物オールスターキャスト、とでも言いたくなる感じだった。
空海が徐文強の畑の怪の謎を解くべく動く。
それはどうやら、安禄山の乱の際の、楊貴妃縊殺に関わるらしい。
貴妃の墓で、白楽天と出会い、都長安へ戻れば、柳宗元や韓愈と語り合う。
それも、楊貴妃の死の真相を語る、晁衡(阿倍仲麻呂)の残した文を巡って。
貴妃は、騒乱で死んだのではなかった、仮死状態にして蘇生させ、後で日本に逃がすつもりだった。
そして玄宗皇帝の命で、日本へ連れて行くのは仲麻呂だと――。
たしかにねえ、そんな伝説も聞いたことあったなあ。
何という派手な構図。
エンタメ小説として、これで面白くなかったらどうよ、という感じ。
ところで。
表紙の男性は誰?
白楽天なのかなあ。
陰陽師の安倍晴明と源博雅のコンビみたいな感じかな?
「日本に来ていた説」
そんな説があったんですね...
陰陽師の安倍晴明と源博雅のコンビみたいな感じかな?
「日本に来ていた説」
そんな説があったんですね、歴史を、もっと繋がりで覚えておけば良かった。楊貴妃が唐の時代の人だったのは、何となく覚えていましたが、空海とは結びつかなかったです。。。