帝都物語 7 百鬼夜行篇 (角川文庫 緑 690-7)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041690079

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  • 東京中に建てられた二宮金次郎像、偉人達の銅像に続き、桜が地霊たちを封じる要となる。夥しい屍を地にいだき、東京の桜は咲き誇る。
    戦後、アメリカの傘下で過渡期を迎える日本。学生や機動隊達と共に暴れる悪鬼の姿は妖怪達最後のあがきのように思える。
    東京はいくら破壊されようとも不死鳥のように甦る。そんな護られた地を相手にする加藤は少し気の毒だ。

  • 1960年代、安保闘争の時代を描く。大蔵省官吏・平岡は作家・三島由紀夫としての地位を確立するも、文壇とは一線を画して国粋主義へと傾倒。そこに魔人・加藤がつけ込む。極左側には邪眼を持つドルジェフが合流し、東京破壊に手を貸す。既に終戦直後から地下の魑魅魍魎は地上に這い出し、加藤が放った式神ともども人間どもを無差別に攻撃しているのだが……平将門を護る目方恵子が将門の眠りを妨げるドルジェフに死を決して挑むのを黙認する加藤は、この物語の単なる悪役ではなくダークヒーローである。

  • 帝都物語〈7 百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)篇〉 (角川文庫)

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著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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