新装版 人間の証明 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041753606

感想・レビュー・書評

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  • この小説は犯人を推理すると言うより、人間模様を描いた小説。
    母から捨てられ、父を殺された棟据の想い、犯人の想い、被害者の想い、社会的地位のある両親を持った子供たちの想い、田舎に住んでいる娘の想い。いろんな想いがあった。
    さらに、ひき逃げ事件も絡んできて、そこでもまた人間模様が。妻を盗られた男、妻を盗った男が複雑な想いを持ちながらも力を合わせて犯人を探し出す。
    棟据の人間の心に賭けた取調べに犯人は落ちて、やはりそこには愛があったのだ。と、ホッとした。

  • 東京の高級ホテルでアメリカ人が刺殺された。ちょうど同じ頃、一人のホステスが行方不明となる。
    アメリカ人殺人事件を追う日米の刑事、ホステスを追う夫と不倫相手、そして逃亡者たち。散在する各々の経路が交錯し、全てが繋がってゆく。
    昭和後期の日本を舞台にした上質のサスペンス。

    この作品の良さを以下の3点にまとめた。

    1.プロットが秀逸
    これほど複雑に絡み合っていて、最後にすっきりまとまる作品はないだろう。

    2.テーマが揺るがない
    人間性を我々が持っているという主張が小説に一貫して流れている。それは犯人もそうだし、猜疑する刑事たちもそうだ。全ての行動に裏付けがあり、その人物の歴史が垣間見える。だから、現実味がある。

    3.文章が美しい
    その言い回しの端々に著者の美学を感じる。非常にわかりやすく、心地よいリズムの文章である。


    動機もよくわからない変質者を犯人として登場させ、自己満足している小説家さんには是非とも読んで頂きたい。
    そんな上質のサスペンスでした(・∀・

  • ≪内容覚書≫
    スカイレストランへ登るエレベーター内で黒人男性が、死亡した。
    胸に深くナイフを突き立てたまま、最上階を目指した彼は、
    いったいそこに何を求めたのか。

    犯人を探し、日本と米国双方が刑事が、殺された男の足跡をたどる。

    被害者、犯人、刑事。
    それぞれの思いが交錯する中、人間らしさとは何かを問う1冊。

    ≪感想≫
    推理小説としては、展開が無理やりなところはあると思うが、
    この作品を、「人間らしさ」とは何かを問うものと考えれば、
    そんなものは些細な問題として流せる。

    登場人物が絞られているおかげで、
    混乱することなく読めるが、その分役割が読みやすい。
    推理小説としては、そのあたり、物足りなさが残った。

    その代り、愛憎は表裏一体、というのを見せつけてくれる作品。
    人間を憎みながらも信じたかった刑事。
    息子との再会を喜びながらも憎しみを抱いてしまった母親。

    愛があるからこそ、愛を求めるからこそ、
    憎しみが生まれるんだろうと実感。
    感情が理解しやすく、移入しやすい。

    ただ、さて、じゃあ、母に裏切られた時、
    それを受け入れて仕方ないと思えるほど、
    母を愛しているかと問われると、正直、分からない。
    ジョニーの母への思いの強さに心が打たれた。

    また、それ以上に、随所にちりばめられたニューヨークの問題や、
    日本の民族性に関しての記述が興味深かった。

    様々な人種が集まるアメリカと違い、
    単一民族(一応)で構成される日本の
    その結束力の話は説得力があった。
    確かに、一応、みんな日本人で、
    外見もそれほど変わらないからこそ、助け合える気がする。
    「外人」を、なんとなく避けてしまうのは、
    他国でもあることなのかな、と思う。

    きれいごと、なような気もしなくもないが、
    現代の問題をいろいろ見せてくれた良い作品。

  • これぞ推理小説!
    最近の推理もののように結末が
    「え?そんな後出しアリ?」ってものじゃなく
    素直に頷ける締めくくりがいい

  • 黒人がエレベーター内でナイフで刺される不可解な事件を軸に話が展開していく。一見バラバラな話がラストで一つの糸でつながるのは伊坂幸太郎作品に似ている。タイトルの人間の証明の意味は最後に明らかになる点も悪くない。

  • なんとも悲しい真相。犯人についてはいい印象がないが、刑事の幼少の頃の悲惨な記憶とそれでも心の底では本当は人を信じたいという思いは切実だった。

    娘まで妙なことになっていたり、アレとソレとコレも繋がってるの・・・と、若干やりすぎに感じたところがあって、あんまり感動できませんでした。時代のせいもあるかも。

    森村さんの作品は初めて読んだけど、風景の描写にはっとするところがあった。何度も映像化されてるようで、どれか見てみたい。

  • ジョニー

  • タイトルの意味が最後の最後にやっと分かる。
    最初から全般に伏線が張られていて回収される綿密さ。おもしろさ。
    あと、時代にして、意外に言葉はカタカナであったり、翻訳調であったり、「~だわ」というような女性言葉が多用されていたりで、文章自体も味わうことができた。

  • 不審死した外国人青年の、犯人と過去を探る刑事もの。特徴的な登場人物たちと緊迫しながら進む雰囲気、場面の切り替えともどもドラマを見ているようだった。
    道筋は二転三転し、途中で全く展開が広がるのですがそれらが一つに収束した瞬間が凄かった。

  • 霧積の谷へ麦わら帽子が舞い落ちていくところが思い浮かびます。10歳くらいの頃に、つけっぱなしのテレビドラマを見てからおじいちゃんにこの本を買ってもらったような気がします。

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