結婚の条件 (角川文庫 も 3-74)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041753781

作品紹介・あらすじ

旅先で出会った男と結婚し、市長夫人そしてベストセラー作家へと華麗に転身した正橋彩。だが、一躍有名になったがために、彩は封印していた過去の男たちにつきまとわれる。彩は男たちの殺害を計画するが……。

感想・レビュー・書評

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  • 松本清張の「黒革の手帖」のように、男を踏み台にしてのし上がっていく女が描かれていますが、黒革ほど邪悪ではありません。テーマは、夫婦のあり方でしょうか。婚姻の様式が多様化する現在、人々が結婚するのはなぜか。
    二組の若い夫婦がメインキャストで、愛し合って結婚したものの、夫婦でいる目的を見失ったカップルと、目的のために結婚して後から愛するようになるカップルの姿が対照的です。
    本書にありましたが、民法で定められた夫婦の義務は、同じ姓を名乗ること、協力し合うこと、同居することだけなんだそうです。ですから、夫婦生活を持たなくてもオッケーですし、食事を共にするのが目的の夫婦もありうるんですって。面白いですね。
    少ない登場人物でコンパクトにまとまっています。「そんなにうまくいかないって」と突っ込みたくなる箇所もいくつかあります。ミステリーとしての面白さは普通。ちょっと文章がくどいですが、不快ではありません。出てくる女性たちが、渡辺淳一の小説のような話し方をして、リアリティがないです。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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