哀しい予感 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041800010

感想・レビュー・書評

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  • 感じるままに動いた結果、いい方向にいった例。

  • 夏の青森とか軽井沢とかに行きたくなった。

    家族って難しいよね。戻る場所になるひともいればならないひともいる。急に無くしてしまうこともあれば、なかなか手に入らないものでもある。

    よしもとばなな、細かい表現が好きです。
    3つの家の雰囲気の違いがこうも伝わってくるかね。

    あと、最近知った。
    両思いのときって、なんかわかるもんなんだ。
    自分の直感、信じてみてもいいかな。

  • いい話だった。
    私にはない、登場人物の"広大さ"に惹かれた。
    なんだか自分も広大になった気がした。
    星4なのは、もしこれからもっといい本に出会った時のために。
    本当に、心がくすぐったくなる、優しくていい作品です。

  • 相変わらず吉本ばななの物語の語り口が好き。心が浄化されていくような、とにかくこちらの内面を落ち着かせてくれる文章。
    「予感する」って基本的には誰にもある程度は分け与えられている無意識の能力?だと思う。それが強いか弱いかは人それぞれだとしても。そういった目に見えない、形のないものにスポットを当てて物語を作るのがこの人は異様に巧い。作品全体に漂うある種の切なさも、物語の終盤で回収されていく。真に「美しい物語」だと思う。まぉこの小説に限らず、彼女の作品全体に言えることだとは思うけど。

  • しらなくていいことなんてない。
    知ろうとすることが大切なのかな。

  • 再読。
    初めて読んだ時は「好きな本」だと思ったのに、
    2度目の今回は、なんだかちょっと…という感じでした。

    恋愛に対する感情や感じ方も共感できるけど
    「姉」と「弟」というだけでなんとなく拒否反応。
    自分の兄弟構成と同じだからでしょうか…。

    初めて読んだ時に、良い!と思った部分を
    今回たくさん見落としてしまっているようで自分にショック。

  • 薄くてさらっと読めるのだけれど、
    とっても詰まっている。

    どうしようもない迷いや葛藤、澄んだ気もち、凛とした決意。
    あざやかな緑、やさしい音色、かなしい湖水。

    家族の出来事は、抗えないし、それが運命だったのだと思うけれど、
    その運命を受け入れるには、強い心が必要だ。
    受け入れて、包み込む、強い心。

    すべての真実を知り、弥生も哲生も、強くなる。成長する。

    ゆきのの先の読めないふわふわとした感じが、なんだかとても安心感がある。ゆきのもまた、家族を喪い、その運命を受け入れ、その真っ直ぐな優しさを得たのだろうか。


    「ああ、ほんとうに、わからないままでいいことなんてひとつもないのだ。」

  • 私の中で勝手によしもとばななさんキーワードとしている、「死」と「奇妙な女同士の関係」と「旅」と「静かで切ない雰囲気」が全部入った、彼女らしい物語だった。

    特にフルーツカレーの描写が好き。
    こういった描写が、切ない雰囲気に優しさをいい感じに加えて、全体としていい雰囲気の物語になっているんだと思う。

  • 失われた子供時代、ある日を境に、ふと思い出した記憶。

    やさしい父母と、仲のいい弟の哲生、ひとりで住んでいるおばのゆきの。
    温かい家族に囲まれて育った弥生の心にときどき潜む空間の意味。

    本当の肉親が誰であるか、わかってしまったときから
    弥生はおばのゆきのを探しに出て、得たもの。

    読みやすぅーい。

    誰かを探しに行くで、江國香織のなつのひかりを思い出した。

    これってきっとこれからが大変だよね現実だったら。
    吉本ばななって初めて読んだ!)^o^(

  • 『彼の声は闇によく通り、まるで光る道のように鮮やかに夜空を満たすように思えた。聞いていて安心するトーンの声だった。それは哲生が私をとても好きだからだろう、と私は思う。かんたんなことだ。私も哲生をとても好きだからだろう。』

    『何か、今日って夜がすごくきれいじゃないか? 明かりの感じとかさ、いつもと違わない?』
    『うん、そう思うわ。ー きっと、空気が澄んでいるからよ、今夜は。』

    『その電話は特別な電話で、秘めていたことはすべて言葉の裏側から通じ合ってしまうような錯覚をした。』

    『どうした、人でも殺しちゃったのか? そういう感じだよ。』

    『するとしないでは何もかもが180度違うことがこの世にはある。そのキスがそれだった。』

    『来てくれてありがとう。あなたの行動力を私は称える。』

    『もう、二度とない、貴重な。一度きりの。』

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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