哀しい予感 (角川文庫)

著者 : 吉本ばなな

• KADOKAWA (1991年9月25日発売)

感想・レビュー・書評

[yoriko0309さんの感想 · 2015年2月17日]

吉本ばななさんの作品を久しぶりに読んだけど、
文学っぽい文体で、でもわかりやすい文章で、
なんとなく切なさの残る感じが
あー、吉本ばななワールドって感じでよかった。
哲生と弥生の今後も、
ゆきのおばさんの今後も描いて欲しかったけど、
それを書くときっとワールドが壊れるんだろうなー。

[羽さんの感想 · 2015年1月30日]

子供時代の記憶が曖昧な弥生。その理由が分かって、大きく変わり始める。弥生と哲生の姉弟愛、いいなと最初は思っていたけれど、真実が明らかになるにつれて二人の間には姉弟愛とは別のものが生まれる。ばななさんの描く"弟"が好きだから個人的に弟は弟のままがよかったな。

[handkさんの感想 · 2014年10月11日]

吉本さんらしい、あっさりとした読みやすい本だけどその中に色んな形の愛がいって良かった。

[野沢圭佑さんの感想 · 2014年10月5日]

個人的にはよしもとばななの本の中では一番好きかも。明らかに失敗作だとは思うのだけれど（たとえば乙一なんかに同じ題材で書かせたら、もっとスマートなホラー＆ミステリーに仕上げちゃうと思うんだけど、そうなったらよしもとばななではなくなる）、失敗作なのに、あるいはそれゆえに、味があるというか愛おしいというか、そういう意味では、ある部分、村上春樹の『スプートニクの恋人』に共通するものがあるように思う。

[poohatchさんの感想 · 2014年9月14日]

不思議な話で、一気に読んだ。
色々見え過ぎちゃうって大変だなーと思った。
でも、思い出せないもやもやが解決できた弥生のスッキリ具合が良かった。
分からないけどもやもやする状態って苦しいよね。
苦しいけど、理由が分かった方が、楽になるし受け入れることで前に進めるし。
物語がどんどん良い方向に向かっていく話だから良かった☆

[fuka.さんの感想 · 2014年9月10日]

ゆきのさんいいな～
自分の思ったままに行動する
ごちゃごちゃ考えてないで今やりたいこと、やってみたらいいんだと思えた！
文章から色、におい感じちゃうからすごい。

[アーヤの住まいさんの感想 · 2014年8月6日]

夢のような幸福な記憶を抱えて生きていくことは

飴玉をのどで飼うようなもので

息を飲むたび
甘い過去が
喉を通っていって
懐かしさよりも
なんだか苦しくなって

でも吐き出すこともできなくて

息苦しいのに
甘い。

思い出を
大切に大切に
飼ってしまう
そんな自分を
憎みながら
慈しみながら生きている

そんな感じ。

[ゆきさんの感想 · 2014年7月22日]

再読。音楽を聴いてその頃の自分や想いなどをうわってほどに感じることはよくあるけれど、この物語を読んでいたら、あの頃の自分のことがこれでもかってほど巡ってきて、なんてすごいお話、、って衝撃を受けてしまった。お話も若干忘れていたせいか、時間を忘れて熱中。

[tantantancoさんの感想 · 2014年7月11日]

弥生の家族両方がすごく素敵。
産んだ親も、育てた親も、離れた姉も、恋に落ちた弟も
すべて哀しいとかじゃなくて
あったかい
登場人物１人１人があったかい
全然哀しくないよ〜ってなった、幸せな気持ちにしてくれた本

[諒さんの感想 · 2014年6月15日]

吉本ばななの作品で一番最初に読んだ本。
とても自分好みで、吉本ばななを読むようになったきっかけの本。
切ない。

著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第６回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた／サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第２回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞（安野光雅・選）、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞＜Under35＞、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚　第四話　ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」