黄昏ゆく街で (角川文庫)

  • 角川書店 (1993年4月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041867037

みんなの感想まとめ

真実の愛を求める青年の孤独と苦悩を描いた物語は、主人公裕行の成長と彼を取り巻く人々との複雑な関係を通じて展開されます。裕行は、友人ケンの父の愛人である美冬との関係を深める中で、彼女の期待に応えられない...

感想・レビュー・書評

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  • 尾崎豊と同じ誕生日の東京の大学を卒業したばかりの主人公の裕行。
    北海道の高校卒業後、銀座のホステスから、裕行の友人ケンの父剛造の愛人となった美冬。
    ケンの留学出発パーティで知り合い、美冬がケンや剛造との関係の悩みを聞く中で裕行は美冬と付き合うようになるが、頼りない裕行に美冬は物足りないものを感じ、ふたりの関係は迷い込む。
    真実の愛を求めるがゆえに、孤独な迷路をさまよう青年のやさしさと苦悩を描いた、未完の長編ラヴ・ストーリー。
    裕行もケンも美冬も、その時その時の贅沢な暮らしや安定した生活や快楽や安らぎへの欲望や愛の為にお互いを振り回している感じなのが、80から90年代の恋愛という感じで、寒々しい。
    つづきがあっても、恋愛無限地獄が続く予感がして怖い後味。

  • 尾崎が書いたラブストーリー。

    読んでるとこれは尾崎自身のこと?って思うような箇所がいくつかある。
    アメリカの話とか。

    切なくて切なくて寂しくて。

  • 尾崎豊が小説を書いていたことは、カドカワ時代に小説家としての彼をプロデュースしていた見城徹の「編集者という病」を読んで初めて知りました。そんなある日、図書館で本を借りる列に並んでいたときに、ふと横の書棚に目をやると尾崎豊の「黄昏ゆく街で」がひっそりと置かれていました。こんな出会いもあるんだなぁ。

    もとは「月刊カドカワ」の1990年4月号~1991年6月号に掲載されていた連載小説。尾崎自身を彷彿とさせる主人公が不思議な縁で出会った女性に恋していくプロセスと心情が独特のボキャブラリーで細やかに綴られています。読み進めていくと、頭のなかで「街の風景」にはじまり、「OH MY LITTLE GIRL」、「I LOVE YOU」、「Forget-me-not(忘れな草)」、そして「黄昏ゆく街で」といった名曲が自然と流れ出して止まりません。

    それが突然、最後の10ページくらいから一気に壊れ始めて…。これ以上、どう展開していく余地があるのだろうか、というところで連載は中断、未完のままこの小説は幕を閉じます。彼の死の一年ほど前のこと。今までは彼の音楽しか聴いたことがありませんでしたが、この小説はまた彼の音楽の世界観が違ったかたちでそのまま感じられる、繊細で不器用でまっすぐな優しさと恋愛の苦悩が伝わってくる名作です。

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