魔獣調教師ツカイ・J・マクラウドの事件録 獣の王はかく語りき (Novel 0)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042560173

作品紹介・あらすじ

「魔獣には人を狂わせる力がある」
“魔獣”――その身体に“人”に酷似した部分を持つ獣が存在する世界。
人々が鑑賞・性愛の目的で雌型の魔獣を嗜好、盲愛して狂気に堕ち、世間には様々な事件が充ち満ちていた。

帝都最高の魔獣調教師『絢爛なる万華鏡』ゴヴァン卿の不可解な死とともに彼の全てを継承した青年――ツカイ。
とある【魔獣愛好倶楽部】でツカイの友人となった上代ウヅキは、帝都最高峰の魔獣調教師【獣の王】として
名声を高めていく彼に纏わる魔獣絡みの事件に遭遇していき……やがてその地位に関する陰惨な真実に触れることとなる。

「運命の敵も、親愛なる友も、私にとっては同じことだ」       

人間の業と罪過が妖華絢爛に綴られる、至高の王の残酷なる事件録。

感想・レビュー・書評

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  • 人と人に似た獣・魔獣のいる世界。魔獣愛好会に好奇心から参加した上代ウヅキ。彼は顔を白い仮面で覆い、見事なハーピーを連れ、オリハルコンを手にした男ツカイ・J・マクラウドに好奇心から話しかけた。それが全ての始まりだった。
    大人のライトノベルを表現したかのような作品で妖しく、謎めき、危険な雰囲気を帯びている。ミステリーではあるが誰が犯人かは分かっていて、どうやって犯人が目的を達成しているかが見所だ。だが、魔獣を使っての犯行なので推理は難しい上に犯人が罰を受けることがない。実に綾里けいしらしい後味の悪さがあり健在で読む人を選ぶ作品ではある。個人的にはウヅキのタイミングの悪さは達が悪く、違う意味での不快さがあった。

  • 中世ファンタジー風ミステリー。人間と獣の外見を有する魔獣が存在する世界。最高位の魔獣調教師であるツカイと、ツカイに関係した人物がどうなったかが書かれる。
    基本退廃的なエログロで進行するため、読み手は選びそう。その辺りを抜きにすれば丁寧なミステリーなので、個人的には楽しめた。
    しかし、ツカイとウヅキの関係はここからが面白そうなのに。続編の可能性はあるんだろうか。

  • 身体に『人』に酷似した部分を持つ、魔獣。
    彼らを調教し、人の手に渡す職業の頂点に立つ人物と
    知り合った事により、好奇心は満たされていく。

    連続短編、なのですが、もう最初からすごい。
    ミステリーかと思ったら、ものすごく綺麗に
    計算しつくされていました。
    この人を糾弾とか、陥れようとか、無理無理。

    危機感がない好奇心旺盛な医者の主人公…ではなく
    軸は調教師たる彼。
    他の人間がその都度主人公になっていくのかと思ったら
    そうでもなかったです。
    彼が語り手なのは、しましま状態。
    間には、別の人間が主人公として頑張っています。

    1話目から、穴に気が付かない仕掛け。
    2話目は、納品先での家族問題。
    3話目の少女舞踊団は、相手のプライドを傷つけたから。
    4話目は、規模の大きな結婚詐欺。
    5話目で、ついに最初の疑惑の答えが。

    1話目からそうですが、そもそも喧嘩を売るなら
    相手をきっちり細部まで知ってから、という感じです。
    掌で転がされて予定通り、という話の進み具合。
    2話目なんか、お母さん公平すぎませんか? という
    決断の下し方だと思ったら…でしたけど。
    3話目の相手は、たかだか医者の若造相手に
    ものすごい罠を仕掛けてくるな、でした。
    4話目は騙された方が悪いのか、騙すのが悪いのか。
    支払った授業料が辛すぎますが。
    そして疑惑だったものの答えがついに、という5話目。
    調教師は全員狂っている、という台詞がここまでに
    結構出てましたが、さらに納得エピソード。
    まぁ本人達が納得しているのなら、良いかと。
    そもそも、まさかのメイドさん、でしたし。

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著者プロフィール

2009年『B.A.D ―繭墨あざかと小田桐勤の怪奇事件簿―』(刊行時『B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる』に改題)で第11回エンターブレインえんため大賞小説部門優秀賞を受賞し、翌年デビュー。主な著書に「異世界拷問姫」シリーズ、他多数。

「2022年 『偏愛執事の悪魔ルポ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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