マイ・アメリカン・ジャーニー 統合参謀本部議長時代編 198: コリン・パウエル自伝 (角川文庫 ハ 19-3)
- KADOKAWA (2001年3月1日発売)
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感想 : 6件
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- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042874034
作品紹介・あらすじ
米陸軍総軍司令部の最高司令官、次いで統合参謀本部議長に就任したパウエルに心の休まる時はなかった。フセインのクウェート侵攻に始まった、イラクとの息詰まる長く険しい戦い-世界が米国の一挙一動に注目した湾岸戦争を指揮することになる。クリントン政権誕生と共にその職務を退役するまでの、報道では窺い知ることのできなかった秘話を綴った統合参謀本部議長時代を収録し、自伝ついに完結。
感想・レビュー・書評
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全三巻に及ぶ長大な自伝だが、キャリアの頂点といえるブッシュSr政権での湾岸戦争のほぼ完璧な勝利を最後に軍を引退するあたりで終わっていて、この後ブッシュJr政権で国務長官として「大量破壊兵器をイラクが開発している」というウソ情報を国連の場で発表して泥沼のイラク戦争に引き込まれる皮肉な展開については書かれていない。もし改めて補筆版を書くとしたらどうなっただろうか、というか自伝を書く気になっただろうかと意地の悪いことを考えてしまう。
とはいえ、ベトナム戦争でブービートラップにひっかかり重傷を負うあたりの読んでいて飛び上がるくらい痛そうな記述、入院中に読む本が「心は淋しい狩人」だったりする知性や人となりを思わせるくだり、軍人として判断を下すのに必要な情報を四割まで集めるまでは我慢し、七割を過ぎたら手遅れになるから決断しなくてはいけない、といった経験からくる13のルールなど啓発本とはまた違う説得力がある。
よき軍人というのはどういうものか、少なくともどういう存在でなくてはいけないか、と考える上で大いに資するところがあった。軍人イコール軍国主義者ではまったくないのだ。
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