水霊ミズチ (角川ホラー文庫 58-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043465019

作品紹介・あらすじ

『平成日本の百名水』神社の遺跡から湧き出た水を商品化する、過疎村の村興し事業の目玉企画だった。ところが、その計画に携わる者が、人間離れした食欲をしめした後、痩せ衰えて死亡する怪事件が発生する。湧き水と事件の関連性を指摘する民俗学者・杜川己一郎は、遺跡の学術調査を進めるに従い、疑念を確証へと近づけていくのだった。-現代文明の危機に警鐘を鳴らすフォークロア。その想像を絶する、真の意味を紐解く驚天動地のホラー大作。

感想・レビュー・書評

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  • 古事記、日本書紀をモチーフとした水に纏わるホラー。
    大変面白く読めました。

    普段身近にある水。
    飲むと謎の腹痛に襲われ人格も変わってしまい
    最終的には死んでしまいます。

    生活していく上で欠かせない水が汚染されている恐怖。
    読み終わった後はついつい水を飲むのが怖くなってしまいました。

  • 己一郎先生は誰がなんと言おうとロリコンだと思う。
    過去に事件起こしたからどうのじゃなくて・・・
    もう見方がすでに危ない

    どんなに否定してもロリコン

    己一郎の婚約者は性格破綻者だとおもった。
    婚約者はいるがなかなか結婚できない女性
    お局様で、見栄張りで・・・
    そんな婚約者に己一郎はうんざりしていただろうけどさ・。

    己一郎が過去に起こした事件を知らないと思うけれど
    一途に愛し続けていた。
    彼女が死んだとき、己一郎はどれだけ失った物が大きかったか
    気がついたはずなのに・・・・
    婚約者が死んだときよりも高校生のヒロインが
    死んだときの方がショックってなにさ

    しかも関わり合った人が励ますのにそれを無視して
    ずーっと引きずって憔悴して、浮浪者になって・・・
    この人何がしたいんだ!?
    とラストに思ってしまった。

    結局この人は純粋で清純な女の子に惹かれただけで
    過去に自分が惹かれた女の子達が大人になったら
    きっとすぐに他の女の子に手を出す人なんだと思う。

    と・・・憤慨してみる

    それと餓鬼の表現がすんごい気味悪い

  • 大昔の伝説を取扱った物語が好きなので読んでみました。
    古事記や伊邪那岐命、伊邪那美命、黄泉比良坂など、ワクワクする様なキーワードが出てくるのですが、風呂敷の広げ方が中途半端な感じがしました。こういった小説では、伝説を現実社会と如何にマッチングさせるか、もっと言ってしまえば如何にこじつけるかが大事なのではないかと個人的に思っています。こじつけ方が説得力があればある程、のめりこめるのですが今回はそれがありませんでした。さらに文中には同じような説明が何度も出てきて食傷気味でした。。

    あと、主人公があまりに魅力が無さ過ぎて感情移入もできませんでした。(ロリ●ンの50台の冴えない感じのオッサンって。。)終わり方も含めて主人公に対する悪意すら感じますね、コレ。

  • 穢れを呼ぶ水と、穢れを祓う水
    主人公…問題ありすぎなのはどういう意図だったのかが分からないままだった
    古事記を読んでみたくなる

  • 派手な伝奇ホラーです。借りた時分厚くてひるんだけど、常に話が動き続けるので飽きずに一気読みできました。
    それよりも、途中で気づいた、この作者さんって『蹴りたい田中』の作者と同じなん??どうなっとんねん!っていう方がおどろきました笑

  • 水を媒介とした、日本神話が下地の伝奇ホラー。オカルトとグロは半々。

  • 日本神話をベースにオカルトを混ぜ込んだ、飲むと死に至る水をめぐるホラー。
    時折、描写がギャグ調になって、冷めてしまったのが残念。

  • 宮崎県を舞台に伊邪那美が・・・

  • おもしれぇぇぇぇ!!!!
    すっっごい面白かった

    ホラーであり、ミステリーであり、SFであり、様々要素をこのボリュームでまとめ切ったのがすごい。オカルト的な要素を如何に現実的に作品に取り入れるかは難しいところだと思うけど、まさか胃に取って代わる虫とは……それどころかラストで語られる胃そのものが別の生物なのではないかという可能性まであってもうびっくり仰天

    伊邪那美と伊邪那岐、まゆみと己一郎、神と巫女(明美)、色んなところに男女の関係が暗示されていた。そしてそれこそがそれぞれの事件の発端になっていたような気もする。

    ホラー作品の常として結末としては後味の悪いものだったが非常に面白かった

  • 前半は古事記などをベースにした民俗学ネタが満載でマニアにとっては垂涎の内容。後半から終盤にかけて一気にテンポが速くなってもはやRPGかよwって思うような超展開に。ただ文章もストーリーの練り方も上手いのでスラスラ読める。久々に純粋に楽しめた一冊。

  • 神話ネタと蛇神信仰的なものと神話の里・宮崎という土地と
    ポルターガイスト的なオカルトと降霊術と
    観光策による自然・遺跡破壊と・・・
    その他よくわからないもの含めて色んな要素を鍋に放り込んで
    グツグツ掻き回してみたら、それぞれの原型は留めてないけど
    よくわからない強烈な味だけどものすごく面白い
    エンターテイメント小説が出来ていたという感じ。

    ヒロインが降霊してきた時の描写とかポルターガイスト現象とか
    ヒロインのお父さんがFAXで霊界からのメッセージを送ってきたりとか
    主人公杜川のロリコンっぷりとか、とある患者が病院で食べるところとか
    ところどころこれは本気なのかネタもしくはギャグなのかと戸惑いながら
    若干引き気味に苦笑するしかない場面もあったりするのですが
    ちょっとぶっとんでるというか過剰気味な描写が
    逆にエンターテイメントとして効果的に機能していたりするのが不思議です。
    作者の計算なのか結果としてそうなったのかは疑問なのですが。。

    不思議な熱量を持った作品であることは確かで
    結構分厚い本なのですが一気に読んでしまえる面白さはあります。

    ツッコミどころが多すぎて、
    真面目に読んだらダメですね。

    ネタを楽しむ気持ちで読むのが吉です。

  • この作者をよく知らずに読めば、
    駄作に感じるかも。他の作品を何冊か読んでからなら
    かなり面白いと思われる。

  • 舞台は宮崎、イザナギイザナミ等良く出てくるので、古事記や日本神話好きな方には色々楽しいかも。

    あり得ない超常現象ホラー派も理由はしっかり欲しい現実ホラー派も、楽しめるんじゃないかと思います。
    うまく両立してると思う。

    分厚い本な上に文章もかなり詰め込まれていて、読みごたえ十分。
    登場人物のキャラもなかなか立っているし、展開は早くさくさく読めます。
    なかなかのスリルだと思う。

    サスペンスものだと思って読めば星5つあげちゃってもいいかな?とも思うのですが、ホラーとして読むと「怖さ」があまりないコト、最初に感じられた不気味さみたいなモノが後で増えたりしなかったコトがちょっと足りないかなーと思うので星4つで。

  • 古事記をテーマにしたオカルト作品。
    神話が好きなので読んでみたら意外に面白かった!主人公の人間関係の複雑な思いも結構好きだった。ただ最後やっつけ感が無きにしもあらず?

  • まあまあです。
    途中で何となく最後がわかってしまうのが残念。

  • 宮崎県の飯綱山で奇妙な神社の遺跡が発掘され、さらにボーリング作業中に湧き水が出た。これを名水として商品化し、村興し事業としたが、この計画に携わる者が異常な食欲を示し、痩せ衰えて死亡する怪事件が続発する。別件の調査で宮崎に来ていた民俗学者の杜川は、雑誌記者の戸隠、消えた新興宗教「イズナ教」教祖の末裔の少女由美と共に、遺跡と湧き水の調査を進めていく。

    「古事記」の伊邪那伎命、伊邪那美命の物語はホラーや伝奇SFでもよく用いられるエピソード(ex.小松左京「黄色い水」等)だが、ここでも事件の核はこのエピソードが鍵を握っている
    。一方で明治以降の新興宗教から借りてきたような描写もあって、神話とか宗教ってのは、伝奇ホラーでは格好の素材なのだなと再確認した次第。

    この作家ならではのグロテスクで悪趣味な描写や、脱力系ギャグや駄洒落は今回は控え目になっていて、そこが好きな自分としてはちと物足りない感あり。

  • 和製伝奇ホラーの名作。

    神道やオカルトなどが好きな人なら絶対ハマるはず。

    「生水を飲んだら蛇になる」

    そんな言い伝えが残る地域で水を飲んだ人が次々おかしくなる病気が起こる。

    その原因を大学の研究者が追ううちに古代史が蘇っていく。

    ちなみに映画化されてるけれども、あれは観る価値はない。

  • 現実にあるとかなり怖いが、先が読めなかったのでわくわくしながら読めた。

  • 一気に読んだ。民間伝承・サイエンス系など様々な興味を拾ってくれるホラーだと思います。

  • たまたま手に取った小説が面白いと嬉しくなる。 
    映画化されたのを知ったのは読んだ後。ストーリーは全くと言っていいほど異なっていた。

    古事記のいざなぎ・いざなみのくだり。。現在も封印された黄泉の国(の入口)が物語の舞台。
    呪われた「水」…。それをとりまく人間模様。
      
    少しロリ的な要素も含みつつ(必要か?)、その水の謎は解明されていく。

    ラストは連載時間の制約からか 少し惜しい気がするが
    古事記を改めて読んでみたくなる内容。

    オトナ2人に勧めて いい評価だった。

     

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著者プロフィール

1962年大阪府生まれ。神戸大学卒業。93年「凶の剣士」で第2回ファンタジーロマン大賞佳作入選、短篇「落花する緑」で「鮎川哲也の本格推理」に入選しデビュー。2002年「銀河帝国の弘法も筆の誤り」で第62回日本推理作家協会賞短篇部門を受賞。ミステリー、ホラー、伝奇と様々なジャンルで活躍し、時代小説では「鍋奉行犯科帳」「浮世奉行と三悪人」などのシリーズなどがある。

「2023年 『貧乏神あんど福の神 秀吉が来た!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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