晩年計画がはじまりました (角川ホラー文庫 ま 1-6)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043522156

作品紹介・あらすじ

ケースワーカーとして働く茜に、突然"晩年計画が始まりました"という奇妙なメールが届く。さらに、茜はクライアントの首吊り現場に遭遇。窓ガラスには黒々と"晩年計画はじめてください"の文字が…。一方、悪質なストーカー行為に悩む友人・千晶にも同様のメールが送られていた-。これは、命と引き換えに怨みをもった相手に復讐してくれるという"晩年計画協会"の仕業なのか!?底知れぬ悪意のゲームに搦め捕られた茜たちの運命は?-。

感想・レビュー・書評

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  • うーん。牧野修作品はやっぱり後味が悪い。
    なんとなく主犯の奴はわかったけど、晩年計画の発想や思想をもっと語って欲しかったなぁ。
    主犯の考えにブレがあるのであんまり好みじゃなかった。

  • 最後まで救いが無かったな。いや、それはそれでいいです。完全に壊れちゃっている人がたくさん出てくるんだけど、現実と紙一重というか、ありえなくは無いな、とふと思って怖くなった。

  • 読了。79点。

    **
    ケースワーカーとして働く茜に、突然“晩年計画が始まりました”という奇妙なメールが届く。さらに、茜はクライアントの首吊り現場に遭遇。窓ガラスには黒々と“晩年計画はじめてください”の文字が…。一方、悪質なストーカー行為に悩む友人・千晶にも同様のメールが送られていた―。これは、命と引き換えに怨みをもった相手に復讐してくれるという“晩年計画協会”の仕業なのか!?底知れぬ悪意のゲームに搦め捕られた茜たちの運命は?―。
    「BOOK」データベースより
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    今回の作品紹介はデータベースより。
    というのも、この作品本を手に取って裏表紙の粗筋を読み始めると、好きな人は好きそうなあらすじだと思いますが、それでこのタイトルってどうなのよ、と。
    まぁそれはさておき、作品について。

    読みながら真っ先に思い浮かんだのは貴志祐介『黒い家』です。
    主人公の茜がケースワーカとしての日常を働きながら仕事をきっかけにして怪しげな事件に巻き込まれて行くと言う構成、さらに序盤に描かれる仕事でのトラブルの面白さがきっと『黒い家』を連想させたと思います。

    ストーリそのものは結末も含めて良い意味でB級ホラー臭さが溢れています。正直なところラスト周辺はきっちり説得力がある展開とは言えないですが、それを力ずくで読ませてしまう文章力は素晴らしいと感じました。
    またこの作品の魅力の一つは主人公のポジティブさにあると思います。
    この手の作品の主人公のテンプレートとしては、普段は活力がない、むしろ人生に窮しているところへ、襲いかかって来た危機に対して制への執着を発揮するタイプが多いと個人的には思いますが、
    本作品の主人公はそれとは真逆に常にポジティブでへこたれません。普段からこれでもかと言うぐらい前向きでその部分が作中の事件へ引き込まれていく要因であること、かつある部分と関わる点が珍しい作品かなと思いました。

    最近はこの手の作品の新刊を読んでいなかったので非常に楽しく読めました。

  • 天才的な能力を持った邪悪な狂人―こういうキャラを描かせるとこの作家は抜群に巧い(またその嫌さ加減が何ともw)。なんとなく「トクソウ事件ファイル」に出てきそうな人物造形だなとも感じたが、もしかすると当初はあちらの作品のエピソードで使おうとしたアイデアだったのを膨らませて別の長編に仕立てたのかも?

    詳細はこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2012-02-09

  • 「晩年計画始まりました」という謎のメールを受け取ってから次々に起こる周りの不可解な死。恨みを抱いて晩年を迎えたものが、自分の命と引き換えに晩年計画協会に頼めば相手に死を与えてくれるという都市伝説が囁かれるようになり、という話。最近の牧野さんにしては寧ろ珍しくハッピーエンドではない終わりだが、相変わらず後味は悪くない。謎の現象を解きほぐしていく様が楽しかったです。

  • ホラーといいながら、あまり怖さは感じなかった。最初は、話に引き込まれたが、だんだんと先が見えてきてしまった。黒幕に説得力を感じなかった…(´・_・`)

  • 2011.9.6

  • 都市伝説めいた雰囲気も漂わせてくれるホラー。謎の言葉「晩年計画」と、主人公たちの身の回りで起こるさまざまな事件。じわじわと追い詰められていくのが怖くて怖くて。「晩年計画」に、逃げ場はありません。
    残りの生命をかけてまでの復讐……怖いってのはもちろんありますが。最後の最後にそんなことしか願えないってのは、悲しくもあって。でも世間って冷たいものなのかも。「絶望圧」という言葉にもぞくり。

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著者プロフィール

'58年、大阪生まれ。高校時代に筒井康隆氏主宰の同人誌「ネオ・ヌル」で活躍後、'79年に「奇想天外新人賞」を別名義で受賞。'92年に『王の眠る丘』で「ハイ! ノヴェル大賞」を受賞。他に、『MOUSE』、『スイート・リトル・ベイビー』等々著作多数。また『バイオハザード』『貞子』ほかノベライズも多数手がける。

「2022年 『貞子DX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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