源氏物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川文庫ソフィア 96 ビギナーズ・クラシックス)
- KADOKAWA (2001年11月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (514ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043574056
作品紹介・あらすじ
日本古典文学の最高傑作である世界第一級の恋愛大長編『源氏物語』全五四巻が、古文初心者でもまるごとわかる! 巻毎のあらすじと、名場面はふりがな付きの原文と現代語訳両方で楽しめるダイジェスト版。
感想・レビュー・書評
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タイトル通り、ビギナーでも源氏物語の全巻を無理なく読めて、全体の物語を把握できるテキスト形式。源氏物語は、好きなのだけど、少し離れていると忘れてしまうところがあるので、一日一巻、2ヶ月かけて忘却防止読書。
この本は、各巻ごと、あらすじ・通釈・原文と配置され、とてもわかりやすい親切な構成。
そして、この本で各巻の表紙に“源氏香”が中央にレイアウトされていました。実は、源氏香は着物関係のデザイン等で時折見ることがありましたが、デザインの意味まで考えたことはありませんでした。
それは、香道の組香で、5種類の香をそれぞれ5袋作り、そこから5種選びたく。縦の線は、たいた香を順番に表して、同じ香である物を横線で繋ぐ。そしてそれぞれに、源氏物語の各巻の名前が付けられている。(香道を経験した事がないので、説明できてないわ。) その縦線と横線だけでできた“源氏香”は、デザインとしても素敵。
源氏香の帯を手に入れたい今日この頃。
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「源氏物語」全54巻を、巻ごとのあらすじと、それぞれの名場面は通釈と総ルビ付きの原文、寸評がついていて、ビギナーにうってつけの一冊でした。
また、不思議なのですが総ルビのお陰か、初めはちんぷんかんぷんだった原文も、だんだん読めるようになって行きます。
ひとことで表すと説明付きダイジェスト版というところですが、分かりやすく、読みやすく、それでいてちゃんと面白いのは「源氏物語」そのものがまさに「源氏」の前に「源氏」なく、「源氏」の後に「源氏」なしと言われる極上の王朝ロマンだからでしょうか。
物語の背景に理解を深められるコラムが差し挟まれていて、巻末には解説、作者「紫式部」の紹介、史跡案内、注釈書、資料の案内、作者系図、作者年表、物語の関係系図、物語の略年表、内裏図、物語関係略図が添えられていてとても親切な入門書でした。
このあと現代語訳を読もうとスムーズに思えます。 -
源氏物語のダイジェスト版
気になるけど長いんだよな…って方におすすめ。
私もその1人でした。
・ビキナーズ版について
各章の出来事が簡潔に網羅されています。
名場面は訳文と原文までが載ってあって、理解が深まるコラムも多く、非常に良質な本。
ただ、ダイジェスト版なので仕方ないですが、登場人物達の詳しい会話がほとんどカットされているのでそれぞれの人物像を思い描くことは難しい。
・源氏物語について
初めて源氏物語を読む私に、色事の連続はなかなかの衝撃でした。現代人の感性ではそんな光源氏に引きがちですが、当時はそれが優れた男の証だとコラムに書かれていました。なるほど、古典は現代の感性で読んでは楽しめないのだなと認識しました。
話の内容もまた曖昧でわかりにくいのです。これまた当時の価値観、奥ゆかしさ なんでしょう。
現代の感性でもすごいと思えたのは、古風で美しい日本語たちです。ついつい声に出して読みたくなりました。空蝉、朧月夜、木枯らし などなど…
光源氏の死が雲隠れとだけ書かれているのもまた、何とも粋な感じがしました。
現代の感性では良さが100%伝わりませんが、歴史的傑作であることに間違いないことは、読んで強く感じました。 -
初めて源氏を読んだのは4年前になります。大和和紀版、林望版、ウェーリー版と読んできましたが、毎回、繊細さと非凡な構成の虜になります。この4年間、年13回の源氏講座を4度受けてきましたが、本書はそのサブテキストでした。思い出をいく層にも重ねて源氏講座は終了しました。テキストも本日読了しました。
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これは、面白かったです。
これは、中学生のときに出会いたかった!
すべての意味をしらずに、テストに出るようなところだけを勉強してました。
早くに出会いたかった! -
光る君へにハマり、源氏物語についておおまかを把握したいと思い購入しました。
これ一冊で源氏物語全54帖のおおまかな内容と解説がわかります。
夕霧と雲居の雁が純愛で結ばれて、この時代では珍しいな、いい結婚だな、、と思っていたけど、結局浮気するんかってがっかり
結婚観とか、人が勉強する意味とか、紫式部の知見は現代にも通用するものばかりで、だからこそ1000年以上語り継がれてる名作なのだなと
ほんと今季の大河ドラマ面白すぎる!!好きすぎる! -
とても有名な本で名前しか聞いたことがなかった本でしたが、実際読んでみるととても面白かったです!
少し難しかったですが、昔の人はこんな本を読んでいたんだなとタイムスリップした気持ちになれました! -
世界的に有名な日本の古典文学なのに、授業で習う部分くらいしか読んでこなかったなぁと思い手に取った本です。
初心者向けに解りやすく書かれているので最後まで読み終えることができたのですが、略されている部分も多いので、いつか全編読んでみたいなと思います。
内容や感想をまとめるのは難しいのですが、ひとつ言えるのは古典文学だから心情を理解できないだろうという思い込みはよくないなということです。
1000年以上前に描かれた登場人物の心情でも、十分に理解することができます。むしろ、1000年も前から人の考えることや悩むことの本質は変わっていないのではないかなと思います。
何を考えているのか解らない相手の気持ちを探ろうとして思い悩む登場人物たちの人間らしさがとても好ましいと感じます。
長い物語の中で源氏の憧れの人、最愛の妻、若気の至りで関係を持った娘など沢山の女性が出てきますが、1番心惹かれたのは花散里という女性です。特別美人ではないけれど、強く優しく源氏からの信頼はとても厚い素敵な人です。いつの時代もこういう女性が理想なのではと思います。
長々と書いてきたのですが、何が言いたいのかというと、源氏物語は現代に通じる考え方や心理描写に溢れているということです。1000年読み継がれるのも納得だなぁと思います。 -
源氏物語の全ての話を網羅できるが、とても読みやすく、そして面白かった。
ビギナーズと書いてある通り、現代の話と同じ感じになっていて、読みやすかった。 -
あらすじ、通釈(意訳+説明)・原文、寸評が載っていて、全体の筋をつかんだり、原文の雰囲気を楽しむのに良い感じ。文庫本1冊組ですが、一応54帖全体から抜粋して載っている。原文にはルビもふられていて音読もしやすく、コラムも面白い。
角川のビギナーズ・クラシックスのシリーズは他にも何冊か持っているが、どれも原文に触れやすく、読んで楽しめる。