狂乱廿四孝 (角川文庫 き 25-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043583010

感想・レビュー・書評

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  • 脱疽という業病で両足、そして両手までも切断しながらも
    なお舞台に立ち続けた美貌の歌舞伎役者・澤村田之助。

    もうここだけでたまらず手に取ってしまった私です。

    なんだろう。なに?なんなんだ。
    ただの野次馬根性?覗き見趣味?
    自分がどうしてこの猟奇的、ともいえる女形にこんなに惹きつけられたのか。

    うまく言えないけど、
    壮絶なところ、かなぁ。

    物語は田之助を登場させ、物語の中心に置きつつも
    その舞台を支える裏方の面々を活躍させる推理物。

    もうちょっと田之助を見たかった。

  • 明治三年。脱疽のため右足に続き左足を切断した名女形、沢村田之助の復帰舞台に江戸は沸いた。ところが、その公演中に主治医が惨殺され、さらには、狂画師・河鍋狂斎が描いた一枚の幽霊画が新たな殺人を引き起こす。戯作者河竹新七の弟子・峯は捜査に乗りだすが、事件の裏には歌舞伎界の根底をゆるがす呪われた秘密が隠されていた……。
    (1995年)

  • デビュー作
    江戸と明治が微妙に混じりあった時代の雰囲気が
    なんかすごくいいです。
    活気と、もの悲しさとが同居してる感じがたまらない。
    そして、今後シリーズものとして世に出される作品の形や
    エッセンスみたいなものが垣間見える。
    少しドキドキしながら、微妙な時代背景と相まって、
    歌舞伎の世界は知らないけれども楽しめました。
    デビュー作でこれだけ描けるんだもの、やはりスゴイです。
    ちなみに、狂斎幽霊画考というデビュー作の原型となった
    作品が収録されてますが、間違ってもこちらを
    先に読まないように!

  • 歌舞伎に生きる人たちの業のような話。役者はもちろん戯作者、大道具さん、田之太夫のあやしい魅力に憑りつかれて狂っていくさま。長編の元になった話も中々面白かった。

  • 談話室で紹介してもらった作品。
    歌舞伎の世界の裏側と執拗なまでに歌舞伎に捕らわれる田之助。すごく面白かった。
    また、北森鴻氏の作品を読んでみようと思う。

  • 読み終わってため息。
    ここから始まって、暁英 贋説・鹿鳴館で終わったんだなぁ…。
    これで未読はあと2~3作。
    惜しいような、でも何度でも読み返そう。楽しみに。

  • 一気読み!面白すぎる!!これがデビュー作とは~~!!! 実在した人物が、これまた魅力的!堪能しました!!いや~、素晴らしい!!傑作時代ミステリーというに相応しい!!久々に歌舞伎も観てみたくなった!河鍋暁斎展も観に行っちゃいます!!んも~~!めっちゃ、おススメですっっ!!!

  • デビュー作。(たしか・・・)
    勢いで書いている感も無きにしも非ず。でも、史実上の人物とミステリをよく組み合わせてあるなあと感心する。歌舞伎を題材にまるで歌舞伎のようなことをしているのだと思う。そのやっちゃった感じがとても好ましい。だから★×3つ。

  • 付録のようにある原作を先に読まないことを作者も進めているが、同館です。
    絶対に先に読まない方がいいと思います。

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著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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