- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043596034
感想・レビュー・書評
-
友達に進められて読んでみました。
最初は慣れない岡山弁に戸惑ったけど、
読んでるうちに自然と難なく読めるように。
じわじわくる恐さがオススメです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
明治末の岡山市。妾として囲われていた男に日本刀で斬りつけられ、タミエは左目の視力を失った。だが見えないはずの左目にはこの世の者ならぬ者の姿が映るようになっていた。にわか霊媒師となったタミエの元にはわけがありそうな依頼者が次々に訪れる……。
片目を失ったことで霊媒師となった女性と死霊、そしてそれを通じた人間との関わりを描いた連作短編。一見ゴーストハンターもののような内容かとも想像してしまうが、物語の中心にすえられているのはあくまで生者(特に男女)の愛憎なのである。
この著者、描きたいのはあくまでも男と女の物語であって、ホラーはその下地なり遠景でしかないのだろう。 -
いいねいいね最高、じっとりとした肌に粘つく感じ、心なしか生暖かい風が頬を撫でる。ある事件がきっかけで片目の視力を失う、そんな不幸なタミエに思わぬ力が宿る。そして生活のため霊媒師になった彼女は難事件を不思議な力で解決に導くのだった。
-
生きた人間と死んだ人間と、いったいどちらが怖いのか……? ということをひどく考えさせられる短編集。じわじわどろどろ恐怖譚。
お気に入りは「岡山ステン所」。なんといってもこれは、母親の○○の仕方があまりに怖すぎます。そりゃトラウマにもなりますって。 -
妾だった女が、旦那に左目を切られ、その代償にように霊感を得、それを商売にしはじめたことから呼び寄せられる事件達。
「ぼってぇきょうてぇ」の世界ですね。同じように出てくる人間は皆不幸で、しかも不幸であることがよくわからない状態、という。それが不思議な透明感になっている。うん、底辺の人間を描き、どろどろしてたりするんだけど、どこか無機質っていうのは、この人の上手いところなんだろうな。
…これは、こわくなかった(苦笑) -
すごく頑張って最後のほうまでは読んだんだけど、つまらなくて読みきれなかった。
しまこちゃんのサービス精神がまったく見えなくて。
ぜんぜん臭くないし、人間を描いてるわけでもなく、岡山が見えるわけでもなく、
もちろん怖くもない。ぼっけえきょうてえが面白すぎたから採点が辛いのか?
いや、逆にぼっけえ…がなければ誰も読もうとしないだろうな。 -
人間の醜い部分を描いた作品ですが、それほどおどろおどろしい感じはしませんでした。
-
見えないけれど見える
見たくなくても見える
-
岩井志麻子の岡山女を読みました。妾として囲われていた男に切りつけられて隻眼になってしまった、女霊媒師の物語でした。いつもの岩井志麻子らしい怖い話でしたが、読んでみて感じたのは、死霊や生霊の怖さは、生身の人間の怖さを凌げないということでした。岩井志麻子の描く、女のひとの情念の怖さに比べれば、死霊なんて穏やかなものです。
-
ちょっと怖くてちょっと切ない短編集。<br>
世の中の無情をちょっと思わせて後味に深みのある話。<br>
<strong>出版社/著者からの内容紹介</strong><br>
<blockquote><p>
明治期の岡山を舞台に彼岸と此岸のあわいを濃密な文体で描いた連作短篇集<br>
隻眼の霊媒師タミエが見た、亡霊たちの哀しみと怨み。明治期の岡山を舞台に彼岸と此岸のあわいを濃密な文体で描いたホラー連作短編集</p></blockquote>