The S.O.U.P. (角川文庫 か 42-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043748013

感想・レビュー・書評

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  • オンラインゲームの中の、アヴァターが、最終的に人工生命化してネット上に住むと言う発想がすごいと思いました。たしかに、オンライン上に別の生命体が棲みついて、繁殖して進化していくって言うのは、今後ありそうだなあと思います。さらに、彼らが人工知能まで備えていたら、リアルワールドに住む自分たちと、オンラインワールドに住む彼らと、お話したり、ともに仕事をしたり、なんてこともありうるのかも…。

  • よくもまあこんなに小難しい内容がエンターテイメントになるなどと。ネットワークの世界をディープに楽しめる人でないと内容を完璧に楽しむのは無理だと思う。正直、よく分からないことも多かった。
    でも分からない部分は読み飛ばしていいと思う。それでもこの本なら面白い。「ネットワーキング」…何かと何かが繋がっていること/断絶されていることの面白さだけで読みきれる。
    一番伝えたいことが繋がることなのか、断絶されることなのかは分からないが、関係性の強弱/厚薄に対する書き手の強い執着を感じる。その強いエネルギーで書ききっているんじゃないかなあ。

  • 初めて読んだときは、夜9時から朝の3時半まで読み続けて翌日の会社をサボった気がします。そのくらい引き込まれた本。技術的な用語をちゃんと読むのと時間がかかるので、お時間のあるときに・・。

  • ゲーム世界とネット関係の世界が交互に作用して、物語が展開していきます。ネット関係も、その成り立ちと言ったものから、技術的用語、そしてハッカーやクラッカー、掲示板やチャットを拠り所にしている引きこもりのネット中毒者(人事じゃない気がする)の心理まで、深く掘り下げている。
    ワームとかDoS攻撃とかトロイとか、インターネットウィルスがどんな物だか、漠然としか判らなかったけど(駄目じゃん)、なんとなく判った気にさせてくれる。

    また、このオンラインゲームが、「指輪物語」や「ゲド戦記」を下敷きに創られていて、舞台設定がズバリ、ミドルアースで、至る所に関係名称が出てくる、名称だけじゃなくて世界観もしっかり踏襲して、かなり読み込んでいることを窺わせるのも好印象です。

    ストーリーも意外な展開あり、秘密結社的存在や陰謀の影も感じさせ、かなり面白い。

    パソコン使ってサイトやブログやチャットやってる、ファンタジー好きには堪らない、超お薦めの1冊でした。

  • 何度でも読める。

  • オンライン(ネットワーク)社会の脆さと、危うさを小説という形で、エンターテイメント化している。
    コードを書ける人ってカッコいいわ〜。

  • 川端裕人のThe S.O.U.P.を読みました。「S.O.U.P.」と名づけられたオンラインゲームの開発者で、今はインターネットのセキュリティを守るハッカーである主人公がインターネット網を狙うコミュニティと対峙するという物語でした。物語の構成にはちょっと物足りない部分がありましたが、そのディテールは私のメンタリティにとてもマッチしています。このHPの「奇妙な思いつき」に挙げてあるようなアイデアがいくつも描かれていたり、おすすめの本で挙げてある指輪物語やゲド戦記が頻繁に引用されたりします。例えば、「メモリ空間という言葉があるけど、こんな小さなものの中に折りたたまれて格納されているんですね」などという表現にはしびれてしまいますね。親の遺言で禁止されているオンラインゲームをやってみようかな、と思ってしまいました。

  • インターネットの危険性をモチーフにしているリアルSF。
    ストーリーも面白いし、勉強にもなる。一石二鳥。

  • ハッカーの話。インターネットの恐ろしい部分を感じた。ネットゲームの「S.O.U.P」、とてもやってみたい!

著者プロフィール

1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。日本テレビ勤務中、1995年『クジラを捕って、考えた』でノンフィクション作家としてデビュー。退社後、1998年『夏のロケット』で小説家デビュー。小説に『せちやん 星を聴く人』『銀河のワールドカップ』『算数宇宙の冒険』『ギャングエイジ』『雲の王』『12月の夏休み』など。ノンフィクションに『PTA再活用論』『動物園にできること』『ペンギン、日本人と出会う』『イルカと泳ぎ、イルカを食べる』など、著書多数。現在、ナショナル ジオグラフィック日本版および日経ビジネスオンラインのウェブサイトで「・研究室・に行ってみた。」を連載中。

「2020年 『「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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