青雲の大和 上 (角川文庫 や 41-11)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043828111

作品紹介・あらすじ

聖徳太子の没後、蘇我氏専横はとどまるところを知らなかった。蘇我入鹿は、太子の遺児・山背大兄を自死に追い込み、中国の易姓革命に倣い皇位をも窺う。入鹿の学友であった中臣鎌足は、蘇我革命を阻止し新たな国づくりを目指すため、中大兄皇子を戴いてついに入鹿暗殺を企てる。反対勢力を鎮圧して滑り出した「大化改新」を外交的に支えるため、南淵請安が唐に渡るが…。大化改新の全貌を明らかにする画期的古代史小説。

感想・レビュー・書評

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  • 「はるかなる大和」に続く時代の物語。唐に留学していた日文や高向玄理らが両者をつなぐ役割を果たしている。
    上巻は山背大兄皇子一族の滅亡から大化の改新まで。いくら学友とはいえ、入鹿が鎌足を最後まで信じ切っていた、という設定にはちょっと無理があるなあ。

  • 全2巻。
    「遥かなる大和」「大和燃ゆ」と合わせて三部作。
    二作目。

    中大兄皇子と中臣鎌足による大化の改新。
    そして半島・大陸に対する大和の外交政策の物語。

    これはよいのでは。
    三部作で一番。

    大化の改新っが最初はテーマになってて、
    メジャーな事件ってこともあって結構引き込まれる。
    が。
    上巻で大化の改新は終わってしまう。
    後半どうするつもりかなと思ってたら
    前作「遥かなる大和」で活躍した留学生・玄理が中心として
    大陸に対する外交戦が繰り広げられる。

    前半の大化の改新では、
    友情との葛藤や、ミステリーのような計画性、
    後半の外交では、
    友情の尊さやハラハラする政争など、
    結構読みどころも多く読者を離さない。

    冷静にふりかえってみると、
    前作「遥かなる大和」や次作「大和燃ゆ」と同じく、
    忘れられてしまうキャラや、
    前半と後半で違う小説を合体させたような、
    別の話感はやっぱりある。
    が、
    前作から続いた物語の、3巻・4巻として読むと、
    最後のクライマックスにはグッとくるものがある。
    遂にここまで、と。

    三作目「大和燃ゆ」も
    このまま再読してみよう。

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著者プロフィール

1939年兵庫県生まれ。京都大学文学部卒。63年産経新聞に入社し、大阪本社編集局社会部長、同編集長、東京本社論説委員長を歴任。92年『ソウルに消ゆ』(筆名・有沢創司)で第5回日本推理サスペンス大賞受賞。古代史を体系的に描いた「古代からの伝言」シリーズで話題になる。

「2010年 『青雲の大和 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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