温室デイズ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 1927
レビュー : 184
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043942015

作品紹介・あらすじ

みちると優子は中学3年生。2人が通う宮前中学校は崩壊が進んでいた。校舎の窓は残らず割られ、不良たちの教師への暴力も日常茶飯事だ。そんな中学からもあと半年で卒業という頃、ある出来事がきっかけで、優子は女子からいじめを受け始める。優子を守ろうとみちるは行動に出るが、今度はみちるがいじめの対象に。2人はそれぞれのやり方で学校を元に戻そうとするが…。2人の少女が起こした、小さな優しい奇跡の物語。

感想・レビュー・書評

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  • いじめる立場、いじめられる立場にスポットを当てがちな作品が多い中、この作品のなかではきちんといじめという行為を観察し分析するという人物が登場していて読みやすかった。
    いじめは悪いこと、あってはならないこととは誰でもが認識しているのだが、いじめに歯止めが利かない、いじめられる方にも何か原因があると口にはできるものの、実際に立ち向かう勇気というものに関して、これほど強く信じ行動する主人公に心から拍手を送りたいと思った作品でした。

  • たまたま再読
    たぶん高校生の時に読んだ。二人ともいい子で、すてきだが、さすがに若いと感じた。

  • 学校生活をおくるものとして、すごく共感できる。
    私の学校はここまで荒れている訳では無いけれども。
    でも人生何が起こるかなんて分からないもんなんだなあと感じた。

  • キャラクター文芸と小説の間くらいの作品、という印象を受けた。ラストシーンはとても感じ入るものがあって好きなんだけど、全体的に淡々とした印象があって、ページ数の割に時間が掛かったので結果として星3.3くらいの認識で。
    淡々と、とは書いたけど、いじめという問題と真摯に向き合って書く以上、ドラマみたいに派手なことがあれこれ起こるわけがないので、これは一つの結果として間違ってはいないと思う。「いじめ」という繊細で難しいテーマに一歩深く踏み込んで、そこに関わる人物達の内面が丁寧に描かれている。ありきたりな言葉や接し方で解決されるようなことじゃないけど、時にはそういうものが必要だったりもする。この作品を通して作者の人は「前を向こう」というメッセージを一生懸命伝えようとしたのではないだろうか。

  • 面白かった!
    次読みたい、次読みたいと私の中の「読欲」を呼び覚ましてくれた気がする。

    山田詠美さんも読んでいるのだけれど、わたしは瀬尾さんの方が断然合う。
    似通っている部分もあると思うので、好き嫌いで読めばいいかと。

  • イジメ、学級崩壊をテーマにした物語。
    今はすっかり大人になってしまったわたしも、かつては、中学生だった。ぬくぬくしてあったかくて、楽しくて、でもしんどくて、そして、生活のすべてだった学校。20年以上も前のことなのに、あの感覚はすぐに蘇ってくる。
    深刻なイジメにあったこともないし、授業にならないといったような学級崩壊もなかったけど、それでも、やっぱり、子どもにしかわからない、子どもの世界特有のしんどいことは、思い返せばいっぱいあった。
    正義感のカタマリそれゆえにイジメの標的になってしまった主人公みちる、小学生時代にイジメにあい転校を余儀無くされた経験があり、ふとしたきっかけで不登校になってしまったみちるの親友、優子。そして、暴力団の親を持ち、家庭環境が最悪の札付きの不良、瞬。

    子どもにとって、学校生活は親が介入できない、まさに、子どもにしかわからない子どもの世界。
    だけど、この物語に描かれたみちる、優子、瞬、それぞれの行動は、親がちゃんと子どもをみているかどうか、家庭に子どもがホッとできる居場所があるかどうか、というそのことがすごく影響していた。
    この3人は、クラスの中では、いわゆる特別な生徒。でも現実は、この物語では脇役として描かれているその他大勢の生徒がいる。イジメを見て見ぬ振りをするというその他大勢。
    この"その他大勢"という子どもを作り出しているのも、もしかしたら、それぞれの家族の結果なのかもしれない。

    もうあと数年で、中学生になる娘たち。中学校生活は、親の手出しのできない世界だとわかっているから、不安もたくさんある。
    でも、それでも、親としてなにもできないわけじゃないんだ。そんなことを考えさせられた物語だった。

  • 瀬尾さんの作品はほっこりする感じが好きで読んでいるのですが
    これは正直イマイチでした。

    全体的に大きな動きもないし
    ラストもパッとしないし
    なんだか何が伝えたかったのか結局よくわからなかった。

    ただ、いじめられているわけでもないのに教室に行けない不登校の子の気持ちはこの本を読んでなんとなくこんな感じなのかーとわかった気がしました。

  • あいかわらず文章は読みやすくて一気に読めた。
    学校崩壊って、ここまでひどくなるもの!?と思ったけど、実際教師の瀬尾さんが書いてるってことはこれが現実なのかな?
    だったら怖すぎる!!

    私の出身中学もかなり荒れてたけど、一応教師に威厳があって歯止めになれてたもんね。
    今はいわゆる「キレる子供」のせいで、例え教師といえど簡単に止められない(身の危険を感じる)ってことだろうな…と感じた。

    話自体はラストはみんないい子になって…みたいな丸くおさめる感動ものじゃなかったから逆によかった!!
    でもなんか感情移入できなかった(特に優子)んで評価低めにしちゃいました。

  • おもしろかったけど、読み終わってみたらもう一捻りほしかった気がする。

  • 瀬尾さんの描く世界ってほんわかしたものが多かったけど、これはいじめのお話。うちの学校は暴力沙汰とかはなかったけど、中学ぐらいって確かにこーゆーのあるよね…

    題材的にどうかと思ったけど、瀬尾さんらしく前向きな展開になっております。

    これは生徒によるいじめの話やけど、先生からのいじめモノなら乙一の「死にぞこないの青」が印象的だったな。

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著者プロフィール

瀬尾まいこ(せお まいこ)
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2011年の退職までは、中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行っていた。2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、これが翌年単行本デビュー作となる。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞。これまでに映画化された作品に、代表作『幸福な食卓』、『天国はまだ遠く』『僕らのごはんは明日で待ってる』。『そして、バトンは渡された』は第31回山本周五郎賞候補、2018年「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、「キノベス2019」1位に選出、さらに2019年本屋大賞を受賞。2019年6月13日、『優しい音楽』(新装版)を刊行。

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