あなたがここにいて欲しい (角川文庫 な 51-1)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943289

感想・レビュー・書評

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  • きゅん。
    中村航の本を読むと、たいていキュンとする。
    淡くて優しくてほんわりとした幸せを感じる。
    世界三大美徳も表現を大事にしてる感じも
    素敵な豆知識の数々とかも、全部魅力的だ!

    なんていうか、ありきたりでありがちな
    なんとも面白くないような骨格かもしれないけど
    中村航という人の、世界の捉え方で
    言葉選びで形作られると
    物凄く尊くて、個性があって
    引き込まれてしまうよね。
    ほほう。

    タイトルのネーミングも、らしい。
    Wish You Were Here.

  • 不器用でも、がむしゃらでも、抗っても
    大人になることからは、逃げることが出来ない。
    だからこそ人間は、まっすぐに対峙するのではなくて
    少しだけ、捻じれていた方が味があって良いのかもしれない。

  • 大好き…ユーモアが優しくて哲学的でとにかく素敵…荒んだ時に読んでます

  • 表題作の「あなたがここにいて欲しい」と「男子五編」「ハミング・ライフ」が収録されています。
    「あなたがここにいて欲しい」は目立たなくて控えめな普通の吉田くんとヤンキーの又野君の幼稚園から大人に成長するまでの友情の物語です。「男子五編」も小学生から大人になるまでの成長の物語です。成長といっても大きな事件が起こるのではなく、多くの人が子供の頃に思っていたであろう日常の頭の中が面白く書かれています。ただし、少年経験者限定です。「あなたがここにいて欲しい」は舞子さんとの恋の始まりも楽しめます。
    一方「ハミング・ライフ」は恋愛小説です。心が暖かくなります。SNS時代に手書きのやりとりで心が通っていくのがほっこりします。良いお話だと思います。

  • あなたがここにいてほしい、男子五編、ハミングライフの3編収録。
    表題作に登場する吉田くんはまさに中村航の描く不思議男子(私のツボ)で愉快でした。同じ登場人物が出てくるらしい夏休みも近いうちによみたい。
    ハミングライフはウロレターのやりとりでテンポがよくさらっと読めました。相手にオチがあると身構えてたけど案外普通で拍子抜け(笑)

  • ハミングライフが素敵でした^_^
    あんな文通から始まる恋、憧れます‼︎
    日々の小さな出会いや奇跡を大事にしたいですね‼︎

  • 青春小説でありながら、内容はどこか“こっち側”(非リア)を想像させる名作短編集。
    著者の中村航さんが読みやすさを念頭に置いているだけあって、平易な言葉づかいで書かれていて、あまり気取ったところもない文体には好感が持てる。
    普段はあまり恋愛ものを読まない、というか見るだけで嫌悪感を抱く私のような人から、少女マンガと携帯小説大好きなスイーツ(笑)まで楽しめる本だと思う。

  • 年齢の割に純粋で、可愛らしくて、無理がない登場人物達の描き方、散りばめられたエピソードのリアリティ、小さな事柄に対する感性溢れる描写など、中村氏の持ち味が存分に活かされた作品です。
    表題作は吉田くんと舞子さんの素直さに惹かれ、「男子五編」は同世代の懐かしさが心地よく、「ハミングライフ」はこれ以上ないくらい短い手紙に込められた想いの巧みさにうなります。3編ともに甲乙つけがたく、読むと気持ちが穏やかになりました。

  • 中学生高校生時代の吉田くんと私は、すごく似ていた。
    ということに気付かされた。
    あの頃の私には、ゾウもあんぱんもなかったけど
    代わりに、私にも手放せないものがあった。

    全然パッとしていなかったとしても、取り立てて何かイベントがあったわけではなくても
    あの当時の私なりに泣く程しんどいことや辛い事、それなりに楽しいことがあったけれど
    「振り向いたらぜんぶ懐かしさに変わる」という言葉が
    年々、わかるようになってきた。

    地元がある方角の空を見上げてみたくなる本でした。

  • 短編集。表題作は長編でもいいくらい味わい深かった。幼なじみの割とマジメな吉田くんと不良の又野くん。一緒に育ったのに全然違う道を行き、それでもお互いを認め大切に思っている。良いバランス。別の短編、ハミングライフもとてもかわいらしいお話。あまりリアリティはないけど和みました。

著者プロフィール

建築家。博士(建築学)。株式会社MOSAIC DESIGN代表。
1978年東京都生まれ。2002年日本大学理工学部建築学科(高宮眞介研究室)卒業、2005年早稲田大学大学院修士課程(古谷誠章研究室)修了。2008年同大学博士後期課程単位取得退学、助手・嘱託研究員を経て、2010年〜16年東京大学大学院隈研吾研究室助教。2011年東南アジアのストリートの屋台に関する研究で博士(建築学)取得。同年建築設計事務所MOSAIC DESIGN設立。明治大学I-AUD、早稲田大学、日本大学などで非常勤講師を務める。店舗・住宅・ホテル・商業施設・マーケットなど、屋台からアーバンデザインまで、何か楽しいことやりましょう!をキーワードに大小さまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

「2023年 『POP URBANISM』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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