方丈記 現代語訳付き (角川ソフィア文庫 A 260-2)

  • 角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044001094

作品紹介・あらすじ

枕草子・徒然草とともに日本三大随筆に数えられる、中世隠者文学の代表作。人の命もそれを支える住居も無常だという諦観に続き、次々と起こる、大火・辻風・飢饉・地震などの天変地異による惨状を描写。一丈四方の草庵での閑雅な生活を自讃したのち、それも妄執であると自問して終わる、格調高い和漢混淆文による随筆。参考資料として異本や関係文献を翻刻。

感想・レビュー・書評

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  • 「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」

    の名文から始まる有名な古典文学です。

    遠い昔に国語で習ったことがあるのでしょうが、全く覚えておらず、ちゃんと読んだのは初めてでした。
    意外だったのは、人生観のようなものを語るのみでなく、遷都、辻風、大火、飢饉、地震といった人災、天災についても克明に記録しているところです。特に飢饉のパートはその凄まじさがよく分かる文章でした。
    最近読んだベストセラーの「限りある時間の使い方」という本に、他人の目を気にせずに自分のやりたい事に打ち込むことが人生の満足度に貢献すると書いてありましたが、世俗を捨てて小さな庵を結び、自身の思うままに暮らした鴨長明の生き方は、まさにそれを実践したものだったと思います。

  • 最初は古文から始まる為、こんなの読めないよ(*_*)と気落ちしそうになるが、分からないなりにも読み進めてみる。
    この辺は、目が文を追っているだけ。あまり情景も浮かばず、こんな雰囲気かなぁ?と思ってもその上から自分で×とつけたくなるようなイメージ。

    それが現代誤訳に入ると、一度古文で読んだ部分の現代誤訳だから、どんどん想像が出来る。
    頭の中に情景が浮かんでくる。

    そして、この人の生き方に私も賛同してしまった。

    会社の方に貸して頂いた時は、こんなの読めるかしら?と思ったが、なかなか良い作品だった(*^^*)鴨長明の生き方、天晴れ!

  • 方丈記ほど短い文章が、当時から人々の心をとらえ、700年も(そして今後も)読み継がれてきたのは、それ自体が興味をそそられる実績に思える。世を捨て、妻子なく、ひとり庵を結んで楽しみは美景のみ、そんな生き方は言うほど容易いとは思えないが、達観漂う言葉の数々には、読む人をリラックスさせる雰囲気がある。戦乱、飢饉、災害を直接目撃し、体験した著者だからこその境地だろうし、世の人の共感を得たのも、大なり小なり同じ苦しみを共有していたから、と思う。世の中が乱れるほどに、このエッセイが有する普遍性が求められるのだろう。

  • お盆の間に『方丈記』を初めてちゃんと読んだ。人間の営みはこの時代も今もまったく変わらない。

    しかし同時に『72時間』歴代ベスト10を見たり、太平洋戦争の番組を見たりしていると、人生は生まれてくる時代と場所でまったく変わる。

    これを何というのか。

  • 習ったことはあるけれど、読んだことはない「方丈記」。
    前半は大災害と出世の挫折、後半はその経験から辿り着いた自作の小さな家の良さを語る構成。
    異常気象、ウイルスの蔓延、戦争…
    現代でも大災害に見舞われることが増えてきた。
    そんな中で、方丈記で「何が豊かか?」を問う鴨長明の考え方は、とても先見の明があったように思う。

  • 記録

  • すこし、気持ちが落ち着いた。先人のことばはなるほどだと思う。

  • ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。教科書でも有名鴨長明「方丈記」1212年著。
    解剖学者養老孟司さんがオススメしてたので読んでみました。鴨長明は下鴨神社の由緒正しい家系が父死亡後親類に疎まれ転落し出家。地震大火飢饉など天変地異を克明に描写財産や地位があったとしても明日のことなど分からないので執着を持たず生きることが大切だが齢60前になってもなかなか捨てきれないと吐露する。
    平安時代も現代も人の本質は変わってないのかも

  • 急に、「ゆく河」な気分になっただけで購入
    方丈記に系統が複数あるなんて初めて知りましたが、現代語訳で読まないとサッパリ…(><;)
    古典を研究されている方も大変ですね(文系にも難しい世界があるんですね)


    ブログ投稿記事があるがメーターに登録がない
    途中でギブアップしたのかも

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著者プロフィール

平安時代末期から鎌倉時代にかけての日本の歌人・随筆家。建暦2(1212)年に成立した『方丈記』は和漢混淆文による文芸の祖、日本の三大随筆の一つとして名高い。下鴨神社の正禰宜の子として生まれるが、出家して京都郊外の日野に閑居し、『方丈記』を執筆。著作に『無名抄』『発心集』などがある。

「2022年 『超約版 方丈記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鴨長明の作品

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