- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044003463
作品紹介・あらすじ
著者は『岩波ことわざ辞典』等を著した斯界の第一人者。世間で使われなくなったことわざを惜しみ、「名作二〇〇本余」を、言葉の成り立ち、使われた文学作品、時代背景などの薀蓄を記しながら解説する。
感想・レビュー・書評
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忘れられたことわざの中から選りすぐった、約200を紹介。
第一章 人生を導く教訓 第二章 人の浅はかなる姿
第三章 人と人との関係 第四章 人間とはこういうもの
第五章 世の中の仕組みと有り様
第六章 事物・事象のたとえ 第七章 粋な洒落ことば
所々にいろはがるた等のモノクロ画像。索引有り。
辞書等に掲載されていることわざの他に、知られていない、
歴史の彼方に消えたことわざがある。その中の珠玉のものを紹介。
ことわざ自体の他、登場した文献、歴史的背景等も解説。
家訓書や様々な文学作品にことわざとして引用されても、
後世の人々に伝わらないものがあります。
雪国のように、その地域だけのもの、有り。
例えや事象、物が時代の変遷で忘れられたもの、有り。
前半だけが覚えられたもの、有り。
実は著者の創作?だったもの、有り。
伝わらなかった原因が不明なもの、有り。
でも、それらには、ことわざたる所以の、語句の短さや
言い回し、技巧の洒脱さがあり、軽快。
また、現代に通じる意味を含んだものもあります。
章ごとに気に入ったことわざは、以下。
「踏まれた草にも花が咲く」
「雪と欲はつもる程道を忘れる」
「人を知らんと思わばまずその友を見よ」
「人間の一生は旅」
「旅歩行こそ延命の薬」
「雪という字も墨で書く」
「仏ほっとけ神かまうな」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
庶民の哲学ともいえることわざにも流行り廃りがあり、現代人の目に触れることの少なくなったことわざを集めた著者の労作。
現代には当てはまらないものがある一方、後世まで残したい秀作もある。
人生の教訓とか、人の性(さが)に関するものとか、単語の組み合わせの妙とか、章別に綴られている。
巻末には索引もあり、そこで気に入ったことわざの頁を繰るのもいい。
粋な洒落ことばに、面白いものがある。
「情けの酒より酒屋の酒」
「一人娘と春の日はくれそうでくれない」
「うどん蕎麦よりかかの傍」
「仏ほっとけ神かまうな」 -
今の“コンプライアンス的に”封印せざるをえない諺を集めた本なのかな…と思い最初は手に取りましたが、それは間違い。時代の流れと共に使用されなくなり自然淘汰された諺についての本。面白かったです。
特に「第七章 粋な洒落ことば」がお気に入り。「仏ほっとけ、神かまうな」など…笑