- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044005429
作品紹介・あらすじ
新入生の5月病対策として設けられたという、大阪大学の人気講義。
実験(=調理実習)をもとに、生化学・解剖学など科学の話題から、知られざる食の文化の歴史まで、ときに小ネタも挟むユニークな授業が始まる!
「酸味を甘味に変える「味覚修飾物質」の仕組みとは?」「ホワイト・デーのホワイトは、あの商品に由来していた!」
文庫化にあたって、新章「お刺身の話」を追加。
【内容抜粋】
●味の話
味の要素「原味」とは/「味の素」を発見した池田菊苗博士の執念/味覚に個人差はあるか/生物学と日常用語の「味覚」の違い/酸味を甘味に変える「味覚修飾物質」とは
●色の話
青い食材はめったにない/ウスベニアオイのハーブティーにレモンを入れると……/モーツァルトのイカ墨で書いた楽譜/青いバラの誕生譚
●香りの話
嗅覚とは何か/日本人の三大発明/イヌの嗅覚、ゾウの嗅覚/消臭剤には大きく2種類ある/加齢臭の正体/フェロモンとは何か
●温度の話
料理の適温/熱の移動と蒸発熱/天かす火事はこわい/冷たいカレーは魚か野菜に限る
●お刺身の話
刺身通のための解剖学/魚臭の原因は何か/刺身に向かない魚、できない魚/刺身と醤油の生理学/板さんの包丁技/やくみのやくめ
●食器の話
生態学の「ニッチ」とは何か/牛丼の歴史/かつ丼が先かとんかつが先か/食器の世界史/美味しい玉子丼の作り方
●宴会料理の話
クリスマスにはなぜチキンか、ケーキか/フライドチキン解剖学/恐竜現存説/年越しそばとおせち/エビはなぜ赤いか
●季節の食品の話
豆まき/メンデルの法則/修道士メンデルの野望と挫折/血液型性格判断の「根拠」/欧米人にホワイト・デーは通じない
感想・レビュー・書評
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文系にも分かりやすく生物学的な立場から食について解説してくれる。細かなエピソードや雑学も面白く、筆者のユーモラスな文体も合わさり、非常に読みやすい。
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596-O
文庫(文学以外) -
身近なものが題材に取り上げられているので、書かれていることについても理解しやすく、理系文系問わず楽しめると感じた。
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ミラクルフルーツを食べて
すっぱいものが平気になるとき
人間の舌に起きている反応の話とか。
お刺身は料理人が
テキトーに包丁を入れてもおいしくなく
ちゃんと魚の組織を壊さないよう
絶妙な切り口を作っているとか。
本当に大学で講義を受けてるみたい。
亀の子(構造図?)とか出てくるけど
わかんなくても楽しい。 -
面白かった。前作より専門的(大学生の知識レベル)なので多少文系には難解だが、あらゆる角度から食に対するアプローチが散りばめられていて、この講義を受けられる学生さんは幸せだなと思った。日本のファーストフードは牛丼であるという検証が面白かった。宿題:夫婦丼の提案には私も頭を悩ませた。(相がけ=愛欠けには座布団をあげたい)最後に論文の書き方講座と例があるのだが、本川達雄先生の楽譜サマリーに対するリスペクトと東海林さだお先生のカレーのシルが足りない!という名文に関する検証例が載せてあって、両者ファンなだけにこの著作でお名前を拝見でき個人的には嬉しい限りだった。