新版 枕草子 下巻 現代語訳付き (角川文庫 黄 26-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044026028

作品紹介・あらすじ

約三〇〇段からなる随筆文学。『源氏物語』が王朝の夢幻であるとすれば、『枕草子』はその実相であるといえる。中宮定子をめぐる後宮世界に注がれる目はいつも鋭く冴え、華やかな公卿文化を正確に描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 『枕草子』は当時の帝のお妃である中宮定子のための随筆だと言われるところですが、読んでみると随筆といったものの、作為的に書かれている感じのするところがあります。巻末の解説を読むと、解説者自身は「無条件に随筆であるとする立場にはない」とのことでした。つまり、空想やフィクションが混じっているのでしょう。このあたりを鑑みて、僕のごく個人的な評価にはなるんですが、「『枕草子』は、私小説的エンタメ(随筆形式)。」とくくってみることにしました(僕としてはフィットするんですが、どうでしょうね?)。自分に悪い噂が立ち、大切にしたい繋がりを持つ人に誤解されないためであっても、こちらから説明や弁明はしない、なぜなら癪に障るから、というのがどうやら清少納言なので、もしも当時マスメディアがあってインタビューすることができても、彼女の創作の秘密は明かされないような気がします。

  • 清少納言サマぁぁぁぁぁぁ!!

  • 平安時代中期に中宮定子に仕えた女房、清少納言により執筆されたと伝わる随筆です。古文の授業とかだと冒頭を始め、途中の段を抜粋して終わってしまうけど、それではもったいないです。もっと色々な事柄が清少納言の目を通して語られています。そうそう最近だとFGOに清少納言(キラキラのアーチャー)が登場してtwitterとかで名前を見かけましたが、マスターだったら読んでおいたほうが良いと思うよ。

  • 人間観察、人間関係もおもしろいが、衣や紙の色の描写に惹かれる。できれば実物そのものを手に取ってみたいものだ。こちらの知識不足のせいか、現代語訳でも理解しがたいところがあった。

  • たまには「古典」も読んでみようと思ったが、読み終えるまでに思いのほか時間がかかってしまった。さて、肝腎の感想としては、たしかに面白く感じる部分も多く、なるほど読み継がれてきた理由もよくわかった。とくに、雪山について勝負する場面などは、今日的な小説の題材としてもなかなかおもしろいと思う。いっぽうで、元来が他人に見せる前提で書かれた作品ではないから、まとまっていないこと、とりとめがないこともかなり多く、読んでいても「ふ~ん」で終わってしまうことも少なくなかった。ただ、全体的にはやはりよくできた作品であるとの印象を持った。なお、訳注に不満があり、「読み物としての註釈=単語の説明など」と「校訂についての註釈=異本との相違点など」はわけてほしかった。和歌の訳がないのもマイナス・ポイントだ。

  • 上巻に続いて、百二十八段から最終段までと跋文を収録。全段一括して原文と脚注を前半部にまとめ、続いて補注を挟んで、後半部に現代語訳と付説を記すという順序でパート分けしている。さら巻末には年表と語彙索引まで付いている。

    この至れり尽くせりの内容は、文庫本にして単行本で出ている古典全集に負けないくらいの充実ぶり。そして、上巻のレビューでも述べているように、洗練された現代語訳が最高。訳注者である石田穣二先生ならではの名訳だと思う。

    同様の注釈本や現代語訳付きの本は他社の文庫からも出ているけれど、最も読みやすいのはこれだろう。また、『枕草子』には、大別して4種類の伝本が存在するので、比較的簡単に入手できる能因本の『枕草子』などと読み比べてみるというのも、『枕草子』をより深く楽しむきっかけとなるだろう。

    なお、本の表紙に『新版 枕草子』というタイトルが記されているのは、その前身が昭和40年に発行された『枕草子』(松浦貞俊・石田穣二訳注:角川文庫)だから。とはいっても、三巻本系統を底本とする『校本枕冊子』(田中重太郎著・古典文庫)を典拠としているところが同じ、つまり原文が同じであるというだけで、それ以外の部分は新たに見直しがされているし、現代語訳はより原文に忠実なものになっている。個人的には『枕草子』訳注本として、大好きな作品の一つ。

  • 春はあけぼの、とかの良いものについて書いた段ももちろんおもしろいですが、辛口の人物評みたいな部分が最高に面白いです。

  • '10,4/21 読み終わりました。長かったけど、やっぱり清少納言らしさが表れているこの作品は素晴らしい。跋文も好き。
    古典マニアックスのほうでも語ろうと思います。

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