円環少女 (9)公館陥落 (角川スニーカー文庫 153-11)
- 角川グループパブリッシング (2008年11月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044267117
感想・レビュー・書評
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これまで悩みに悩み続けていた仁がついにある一つの結論に辿り着く。また、新しい世代に公館を任せようと古い世代の自らの生に決着を付けようとした東郷。円環世界での罪について触れられてはいないが少しずつその謎の輪郭が現れ出したメイゼル、鬼火衆の刻印魔道師たち。核を利用して戦争を企てようとした九位。それぞれの様々な欲が絡み合っていた本作。
読み終わった今となっては説明することはできないが、読んでいる最中はその思惑の深さに驚き、闘う彼ら彼女らの姿に何度も背中を押されるような強い意志を感じられた。
そうなのだ。この作品は溢れんばかりの意志が詰め込まれている。矛盾してたって、倒錯してたって、変態チックだろうとも被虐趣向であろうともだ。様々な意思が文章という形をとってぼくらの胸の中に届いて魔炎のように人間には見えない火を灯す。それが後々の行動に変化を与えられていくのだろう。
しかし、それらの意志さえも潰してしまおうという大きな意思がある。今作は区切りだとあとがきにあるが、これからどのような意思が彼らの意志の前に立ちふさがるのか今から楽しみで、それとは別にメイゼルがどう成長し、仁とどのような別れをするのか、仁はきずなや京香と向き合うことができるのかということも気になって仕方がない。
「俺が、夢を見せてやる! おまえたちの仲間の犠牲が、おまえたちが闘ってきたことが無駄でなかったって思える世界を俺が作ってやる。だから、俺についてこい!!」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東郷先生。すげー頑固な人なんだなっていうのと、いまどき古臭い人やっていうのもあるけど、こういう人だからついていくんだろうな、と思う巻。
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公館が炎上し、武原は地下へ。
自分の進む道を見つける。