パティシエの恋愛条件 (角川ルビー文庫 92-12)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044486129

作品紹介・あらすじ

グルメ雑誌の編集者・安藤昌人は、年下の幼馴染みである徳田翔一郎がパティシエとして勤める超有名レストランの取材を任され、嫌々ながらもミラノに行くことになる。過去に犯したあやまちが理由で翔一郎に会いたくなかった昌人だが、再会した途端「俺のことが好きになったら、会いに来るという約束だった」と翔一郎に言われ戸惑う。おまけに取材許可を取り付ける代償に、その体を抱かせろと要求されて…?どんなデザートよりも甘くとろけるアナタとの、美味しい恋のスペシャル・ラブレシピ。

感想・レビュー・書評

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  •  グルメ雑誌の編集者・安藤昌人は、雑誌の廃刊の危機に立たされていた。
     そこで、記事が載れば雑誌の売り上げアップである有名レストラン『リストランテ・ラ・ベランダ・ミラノ』を取材するように、編集長命令が下りる。
     実は、昌人の年下の幼馴染みである徳田翔一郎は、スー・パティシエとしてそのレストランに勤めているのであった。
     昌人としては、翔一郎を利用しているようで気が乗らなかったが、雑誌の廃刊の危機がかかっているとなると、そうも言ってられない。
     嫌々ながらもミラノへ向かうこととなる。
     けれど、昌人にはもう一つ、翔一郎に会いたくない理由があった。
     それは、二人がまだ若かった頃の過ちで、それが理由で昌人は翔一郎と距離を置くようになり、その後、翔一郎はミラノへと留学してしまったのだった。
     そんな過去のことなんて、翔一郎がもうすでに覚えてないことを期待してミラノに向かった昌人であったが、翔一郎は、会わない間に誰もが目を見張るようないい男に成長していた。
     そんな翔一郎の成長に、胸をトキメかせる昌人であったが、再会した翔一郎に「俺のことが好きになったら、会いに来る約束だった」と迫られる。
     しかし、昌人が拒むと、翔一郎はそれ以上の無理強いはしてくることなく、昌人は余計に罪悪感が痛む結果になる。
     おまけに、自分の勤めるレストランで昌人に食事をしてほしい、と予約を取ることすら困難なレストランに招待されて……

     という感じで。
     昌人は、ものすごく翔一郎を利用している罪悪感にかられながら、雑誌を廃刊させないためと、プロ意識からこっそりレストランの情報を取材する。
     一方で、翔一郎は昌人に対する想いを隠すことなく迫ってきて、本当は翔一郎のことが好きな昌人は、ますます思い悩む。
     けれど、翔一郎の両親とも知り合いで、「翔一郎のことを頼む」と言われている昌人としては、素直に翔一郎に身を任せることもできるはずがなくて、ますます苦悩が深くなってしまう。
     そんな感じの話でした。
     翔一郎は、完全に大型犬。
    「昌人! 昌人!」と言いながら、昌人に対して尻尾を振っているような男の人。でも、時折、成長した翔一郎からは、狼の片鱗のようなものが見えてるけど、やっぱり最後まで大型犬だったような気がします。
     一方の昌人は、もって生まれた美しさから、モテはするものの、イマイチ乗り気になれなくて未だに恋人がいたことのない実は一途な男の人。けれど、責任感もあるから、素直に翔一郎と結ばれることもできない。
     おまけに、過去の過ちも、翔一郎に押し倒されたのは自分なのに、自分が翔一郎をそんな目で見ていたからだ、と思っていて、余計にがんじがらめ。

     で、まぁ、結局は、翔一郎の勤め先のレストランの先輩カップルに背中を押される形で二人がくっついてめでたしめでたし。
     また、昌人が翔一郎の思い人であったことから、あっさり取材の許可も出て、雑誌も無事、続くことになって、更にめでたしめでたし。
     ハッピーエンドでした。

     ベタな展開の話ですが、登場人物の気持ちがきちんと描かれているので、退屈な感じはありませんでした。
     大型犬攻めが好きな方にはオススメです。

  • 最初っから最後までキュンキュン。
    そしてお料理がおいしそう。
    「ショコラティエの恋愛条件」も是非読みたいです。

  • 私はどうにも、パティシエとかショコラティエとか、お菓子をつくる人に弱いのだと思う。この話も読んでてすごく幸せになった。BL小説を読んでいて一番感動するのは、受が攻の男性ホルモンにやられてしまうとき。この男を愛さずにはいられないっていう瞬間。そういうところを読んだ瞬間に腰が砕ける。この作品にはそういった部分もあるし、最後のシーンでは主人公とその恋人、そして恋人の仲間たちと和やかに過ごすところが描かれていて、そういう、人間関係のあたたかさも知れる。素敵な作品です。

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