彩雲国物語 黄粱の夢 (角川ビーンズ文庫 46-18)
- 角川グループパブリッシング (2009年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044499181
感想・レビュー・書評
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静蘭、燕青、邵可のそれぞれの過去を描いた外伝短編集。
カバーイラスト・本文イラスト / 由羅 カイリ
デザイン / 角川書店装丁室詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
劉輝の父、覇王・〓(せん)華の時代。愛憎渦巻く朝廷で、必死に生き抜く第二公子・清苑を搦め捕った陰謀とは!?(「鈴蘭の咲く頃に」)秀麗を支える天下無敵の二人組、燕青と静蘭。交わるはずのなかった彼らの運命が交錯した夏を描く鮮烈な中編(「空の青、風の呼ぶ声」)ほか、秀麗の父・邵可と母・薔君の宿命の出会いと命がけの求婚を描く、著者渾身の書き下ろしを収録!!すべての物語が現在につながる、究極&珠玉の外伝集。
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■18■外伝
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外伝第4弾。
静蘭と燕青と卲可の若かりし頃の話の3本立てです。
静蘭が清苑公子だった頃の劉輝との出会いや、その後流罪にされて燕青との出会いが、今の静蘭を作っていると納得できるエピソードとなってます。
静蘭の「一番」が、なぜ秀麗でなく劉輝なのか。なぜ燕青だけにはあんなに気を許してるのか、が解る外伝です。(タンタンの前で静蘭が素を見せるのは、タンタンの能力で静蘭が完全に気を許しているわけではない)
静蘭関係の2本がよかったからか、卲可のエピソードはイマイチ。
黒狼時代の薔薇姫との出会いから結婚までの話。卲可が薔薇姫に一目ぼれしたのも、薔薇姫が卲可に好意を抱いていたのも解りますが、なにが決定打になって命がけの求婚になったのか良く分りません。一目ぼれが決定打か?
見るべきは若々しい卲可かなぁ。今の卲可って精神的に霄太師(外見年齢)くらいでもおかしくないし。 -
燕青とパパがカッコイイです///
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普通に書いたらシリアスで重たい話になる筈が、物語のカラーを損なわず、合い間に笑いが入って、あまり深刻にならずに済みました。が、やはり皆、持っている過去がヘビーだ…。
燕青とその兄の後日談が好きです。 -
外伝4作目
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静蘭の空白時代が、この外伝4冊目にて判明します。
どんな公子時代を送り、追放され邵可に拾われるまで、どのような生き方をしていたのか・・・。 -
政治に興味を持てるようになれる(かもしれない)ライトノベル。
主人公の性格のおかげか、読後感はだいたい気持ちよいものになるので、常に期待しています。
歳のいった男が読んでも大丈夫なお話だと思います。
今回は分厚い。
短編集。
かなり過去の話らしい。
前半は静蘭が子どもの頃の話。
怖い怖いと噂の先王のお茶目な部分も見れたりします。
完璧な鴛洵じっちゃんの楽しいところも見られます。
そして先王がなぜ比較的若くして死んだのかも。
燕青の「師匠」も姿を見せてくれました。
この巻は外伝的な短編集だけど、とても大事な巻でしょう。
ずっと姿は垣間見えていたけど、くわしいことはわかっていなかった「薔薇姫」の物語がはっきり描かれているし。
すべてのはじまりはここなのだから。
そして旧知の間柄だったらしい静蘭と燕青の過去。本編でも想像できる程度には触れられてはいましたが。
なぜ静蘭は静蘭になったのかという話とともに。
ともあれ、胸のつかえがおりたような気分になれる巻でもありました。
あとがきによるともうすぐ最終章だそうです。
その前に読めて良かったでしょう。(2010年03月12日読了)