叛骨の宰相 岸信介

著者 :
  • KADOKAWA/中経出版
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046001412

感想・レビュー・書評

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  • 岸信介の誕生から岸政権の終わりまでを書いた本。

    当時の政治家とのやり取りや密約などの記載も多く、彼がどのように政治的に事を進めて行ったを垣間見ることができた。
    また、各所に岸信介の実際の言葉や関係者の証言などが挟まれており、彼の人柄に触れることができる気がした。

    彼が生きた時代の歴史的背景を知らないと流れを理解しづらいため、岸信介について最初に読む本としては少し難しい内容かもしれない。

    また、本全体の構成として、
    ・特に後半にかけて岸信介を賛美する記載が多くなり、内容をそのまま受け取って良いのか判断がつきづらい
    ・歴史的事象やそれに対する評価が単純化されすぎている傾向がある(様々な背景や文脈がある事象を「これはこうであったから素晴らしい」と一面からしか評価していないなど)
    と感じられる部分もあり、どの程度この本の内容を自分の解釈とするのか判断が難しいと感じた。

    しかし、彼が大きなことを成し遂げた人という事自体は変わらず、長年青写真を描き続けた安保改定や憲法改正に向けて、彼が着実に手を進め、最後は死の危険を冒してまで安保改正を行った気骨に溢れる政治家だったのではと感じられる内容だった。

著者プロフィール

昭和35年12月24日愛知県名古屋市生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。資産証券化の専門家として富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。
著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞)、『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』『佐治敬三と開高健 最強のふたり』(以上、講談社)、『陰徳を積む―銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』(PHP研究所)、『西郷隆盛 命もいらず名もいらず』(WAC)、『胆斗の人 太田垣士郎―黒四(クロヨン)で龍になった男』(文藝春秋)、『乃公出でずんば 渋沢栄一伝』(KADOKAWA)、『本多静六―若者よ、人生に投資せよ』(実業之日本社)などがある。

「2022年 『稲盛和夫伝 利他の心を永久に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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