歌集 葦舟 角川短歌叢書

  • 角川書店 (2009年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (212ページ) / ISBN・EAN: 9784046217509

作品紹介・あらすじ

再発した癌と正面から闘い歌を作り続ける著者の、迢空賞を受賞した『母系』に続く第十四歌集。「これからも今までのように全力で歌を作っていく。これは、誰とでもないわたし自身との約束なのだから」。

みんなの感想まとめ

生と死、そして家族との関係を深く掘り下げた歌集は、著者の癌との闘いを通じて、心の奥底にある苦しみや喜びを真摯に表現しています。短い言葉の中に、人生の重みや日常の小さな幸せが織り交ぜられ、読者は共感を覚...

感想・レビュー・書評

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  • 鳩らには食パンの耳は大きすぎ一羽が銜えしを左右(さう)よりつつく
    こんなにも生きてゆくのが苦しいと祖母言はざりき父母言はざりき

  • 忙しい初老の日々はまだ続く文献を掴みしままに君は眠れり

    短くも長くもありしこの一生去年のごとく菜の花が咲く

    ひとごとのやうにその日も晴れてゐて父は死んだと聞かされたのだつた

  • ーお気に入りの歌ー

    傍に居て 男のからだは暖かい見た目よりはずつと桐の木

    ああ寒い 素足で廊下を歩くのは この家でむかし死んだのは誰

    玉音をぎよくおんと読むわれはパチンコ屋に行くよろこびを知らず

    この鬱は先祖伝来であるゆゑに夜どほし歌を作るほかなし

    生きながら死んでゆくのが生きること眠るまへ明日の二合の米とぐ

    誰からも静かに離れてゆきし舟 死にたる母を葦舟と思ふ

  • [ 内容 ]
    五十年、全力で歌を作ってきた著者の、渾身の第十四歌集。

    [ 目次 ]
    二〇〇五年(鯉;陽がわたりゆく ほか)
    二〇〇六年(海彼より;菜の花 ほか)
    二〇〇七年(故よし問ふな;落葉焚き ほか)
    二〇〇八年(黄の蝶;さうさなあ ほか)
    二〇〇九年(眠らう;冬の蜘蛛 ほか)

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