- Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046519689
感想・レビュー・書評
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この本はすべての日本人に読んでほしい。
太平洋戦争の歴史観を見直すことができる一冊です。
後付けの解釈でなく、当時生きたアメリカ人が日本と自国との戦争について冷静に振り返っている。
日本を本当に世界征服をたくらむ軍国主義国家と決めつけることができるのか、、、
欧米の理論が正しいのか、、、
歴史を学ばなければ正しい世界の見方ができないと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
GHQのアメリカ部員が書いた日本が戦争に至る過程を分析し、アメリカでの一般的な「観念」との違いを丁寧に説明した本。発見は2つ。アメリカが太平洋戦争に突入する際に、日本に対するイメージが「日本が世界征服をしようとしている」「日本は天皇を世界の天皇にしようとしている」「日本人は伝統的に好戦的な民族だ」と言われていたという点。そして、アメリカ人である彼女が、日本人以上に日本の古代、中世、近世、開戦前をここまでもよく研究してくれているという驚き。彼女の説の本筋自体は、日本の戦争はあくまでも悪いとしつつ、日本の行動は欧米列強の行動規範にのっとりアメリカがしてきたことを真似ただけだ「アメリカの鏡」であるというもの。違和感はない。リットン調査団の際に、どのような政治が繰り広げられたかも書かれていて発見がある。
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かつてマッカーサーが日本での出版を禁じた本。
タイトルの意味:近代日本は西洋列強が作り出した鏡。映っているのは西洋自身の姿。近代日本の犯罪はそれを裁こうとしている連合軍の犯罪。西洋の価値観が日本の伝統的価値観を完全破壊している。それが日本占領だと著者は言う。 -
アメリカ人として占領政策に係わりながら1948年に本書を著した著者に、心からの敬意を表したい。
この本の内容は次の一文に集約されている。
「私たちは自分たちの行為なら犯罪と思わないことで日本を有罪にしている。これは正義ではない。明らかにリンチだ。」 -
いやはや何とも、痛烈な本です。
「合衆国政府」と「GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)」にとつて、これだけ不都合な事実(Events)を、しかも公正無私を徹頭徹尾貫いて著されてゐれば、当時の状況では無視(敵視といふべきか)もしたくなれば、被占領国の国語で翻訳出版も禁ずるでせう。
といふことも踏まへて、今の「平和」が如何なるものか考へさせられます。 -
祖母がいっていた 間違ったことを沢山知っているより、知らない方がいいんだよ
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検閲によって戦後何十年も出版禁止になっていた本です。戦争と日本を深く考えてしまいます。
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東京裁判を見直す。日本の戦争について再評価を試みる。
この様なテーマを扱った本は最近では珍しくはありません。
しかし、本書は終戦直後の1948年、アメリカ人女性によって書かれているのです。
その前提で本書を読み進めると非常に刺激的で、強い衝撃を受ける事でしょう。
太平洋戦争に於いて文明の敵とまで言われた日本が、アメリカによって開国
させられるまでの長い歴史の中で、殆ど外国に戦争をしかけてこなかった事。
開国後は自らが植民地にならない様、懸命に先進国に学び、欧米同様に
軍事力を増強した、言わば欧米にとっての優等生であった事。
それらを、きつい皮肉をこめた言葉で語り、米国と日本のどこが違うのか?
と、問い詰めてきます。当時の米国人がこれを読んでどれほど不快な気持ちに
なったかと想像すると少し気の毒にすら感じてしまいます(笑)
内容については同テーマを扱った本の中でも最も辛辣だと思います。
是非、ご一読をお勧めします。 -
日本人が好きではない、と言う作者が、公平な視点から描いている(と、私は思う)のがすごい。私見を交えずに、私は客観的にはなれないので。