文明論としてのイスラーム (角川選書 332)

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  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047033320

作品紹介・あらすじ

イスラーム史に外交はあるのか、日本人のイスラーム認識は-。好戦的なイメージと先入観で誤解されることの多いイスラームを、ナショナリズム、民族問題、民主主義、IT、ターリバンなどをテーマに、歪みのない視点でミクロかつマクロに捉え直す。13億人の民をもつイスラームの文明と歴史の理解を深め、21世紀の文明間の対話の本質を伝える格好の書。

感想・レビュー・書評

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  • IT革命を基礎とした軍事技術の急速な発達によって19世紀的状況に由来する国際政治の力学や知政学の在り方が変化している。
    アメリカの水準に及ばずとも、もし中央アジアのような新興国家が高度軍事技術の余慶を受けた抑止力を持たなければ、アフガニスタンから中央アジアにまたがるイスラム原理主義や民族問題を封じ込めるのは難しいだろう。
    1930年代にドイツでナチスが台頭すると湯田社仁たちのパレスチナへの流入が加速し、アラブ民族主義者のパレスチナ時んとの間に武力衝突が発生するようになった。

    密輸入や密入国といった古典的な国境侵犯だけでなく、ミリタントなイスラム主義者と欧米のリベラルな民主主義者が互いのインターネットをハッカーまがいにウィルス感染させたりソフトを破壊する最近の現象など、一国の犯罪はすぐさま国際化するのが普通になっている。

  • 日本のイスラーム研究の第一人者による、比較的最近の著作。雑誌連載の文章を編んだものであるため、話があちこちに飛んでいるが、イスラームについて浅く広く理解を得るためには適当。ただし、タイトルに比して文明論についての言及は乏しい。

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著者プロフィール

一九四七(昭和二二)年札幌に生まれる。
現在、東京大学大学院総合文化研究科教授、学術博士。中東調査会理事。
最新著書として、『岩波イスラーム辞典』(共編著、岩波書店)、『歴史の作法』(文春新書)、『帝国と国民』(岩波書店)、『歴史のなかのイラク戦争』(NTT出版)など。

「2004年 『イラク戦争データブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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