ゴードン・スミスの見た明治の日本 日露戦争と大和魂 (角川選書 411)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047034112

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  • 展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号 210.67//I26

  • 明治後半、日本に居住した英国人ゴードン・スミスが残した日記の中から日露戦争に関連した部分の紹介。
    40歳を過ぎてから大英博物館標本採集員という立場で来日し、その後何回か英国に帰るものの、最終的に62歳で亡くなるまで、妻子を本国に置いたまま日本に滞在を続けた。
    民間人ではあるが、日英同盟を締結した同盟国市民として日露戦争の推移を見守るとともに、戦争の被害者である孤児や未亡人、傷病軍人の救済に私財を投じた。
    彼が再三指摘しているが、当時の日本では徴兵された兵隊も、一般の大衆も極めて自制的で、酔っ払って騒いだり喧嘩する者がなく、常に粛々と行動していることに感心している。
    英国人の目から見た日本人の大和魂、武士道の精神は常に称賛の対象であり、これが後の太平洋戦争に向かうベースとなることがよく理解できる。
    自ら写真を撮り、絵師に挿絵を描かせ、当時の世相がわかるという点でも非常に興味深い。
    今の日本が失いつつある日本人の良さを描いていると思う。

  • 明治時代、そして日露戦争(1904~1905年)前後に日本にいたイギリス人、ゴードン・スミス氏が残した日記をもとに書かれている。当時の日本の新聞記事や親しい日本人からもらったものが大切に保管されていて、当時の様子を知るうえで非常に面白かった。

    スミス氏が日本人がお祭りでも酔っ払って迷惑をかける人がおらず、節度あり礼儀正しいと評価していることが日本人としてはうれしい。そして、今の日本を思い返すと寂しい気持ちになる。当時の日本人は、そんなに礼節ある人ばかりだったのか。美化されているようにも思える。

  • かつての日本人は識字率も高く、教養があり、品があった。町だって清潔だった。文明の進化とはどういうことなのでしょうか。気にしない人はしないのだろうけれど、私は「とはいえ」「だけに」という言い回しが嫌になるほど目についた。

  • 日露戦争時に日本に滞在していたイギリス人の見た、日本の状況。多少の誤解もあるそうです。昔の日本人って秩序正しかったのね。今ではきっと大パニックでしょう。

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著者プロフィール

1941年愛媛県生。広島大学大学院博士課程。文学博士。大阪大学文学部教授、国文学研究資料館館長を経て、現在は公益法人阪急文化財団理事・館長、大阪大学大学院名誉教授、愛媛県歴史文化博物館名誉館長ほか。
著書 『源氏物語注釈史の研究』(桜楓社)、『源氏物語の謎』(三省堂)、『成尋の入宋とその生涯』(吉川弘文館)、『源氏物語注釈書・享受史事典』(東京堂)、『ゴードン・スミスの見た明治の日本』(角川学芸出版)、『源氏物語を読み解く100問』(NHK 出版)、『小林一三の知的冒険』(本阿弥書店)、『大沢本源氏物語の伝来と本文の読みの世界』(おうふう)、『小林一三は宝塚少女歌劇にどのような夢を託したのか』(ミネルヴァ書房)他多数。

「2018年 『光源氏の運命物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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