保守の遺言 (角川oneテーマ21 A 116)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年5月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047102408
作品紹介・あらすじ
日本を死なせぬために-政治家の使命とは何か?迷走する政治への最終提言。
感想・レビュー・書評
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今の政治家が求めるものはな何か、逆に私たち国民が政治家に求めることは何か・・・
そもそもこの国を今後、どの道へ進ませていくべきか・・・
そうした国家ビジョンを元首相が人生経験踏まえ訴えていました。
歴史、文化、風土(宗教)などを継承し、相手への尊みを継ぐこと・・・
そもそも保守とは何か・・・考えさせられました。
「坂の上の雲」が人気があるように、明治期の開国から列強入りを志した若人のような政治家が今の日本には少ないのがざんです。
もう、言葉だけでは政治は信用できませんよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
政治家の本として超一級の本。まさに中曽根康弘氏が後世の政治家に託したい本。ここまで政治について語れる政治家は現役の政治家にはいないんではないだろうか?2年前の本ということもあり、鳩山由紀夫、小沢一郎、安倍晋三の名前が出てくる(野田佳彦や橋下徹は出てこない)。現役の政治家たちは本書を読んで何を思うだろうか?
<目次>
まえがき
第一章 自民党再生への道
第二章 保守主義とは何だったのか?
第三章 世界における日本を再考する
第四章 これからの政治家に必要なもの
第五章 今こそ「坂の上の雲」を追え
あとがきにかえてー縁、憲法改正、座禅
2012.11.18 図書館で借りる。
2012.11.25 読了 -
政治家ひとりひとりがどういう人間なのか、を測るとき、こうして著書を出してくれるのが一番いいなと思います。政治家にとっての政治的表明であり、読者にとっては評価する物差しにもなりますから。彼の場合歴代総理の中でも大きな仕事を果たして来た人物の一人ですから、世界を大局的に見て、感じたことを即断できる、というところに見るべきものがあり、一方で当事者からしたらいろいろ反論があるだろうとは思いますが。また、彼は信念あれどしたたかであるところも見逃せず、憲法改正も当時の支持率を見て所信表明を諦めてましたし。岸は何思う。
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「保守せんがために改革する」
保守政治を続けるためには改革し続けなければならない。
保守がただの守旧派になってはいけないと著者はおっしゃってます。
歴史文化伝統を軽視する「改革派」に対する姿勢です。
「不易流行」
変わらない本質の中にあっても日々生まれ変わって行くというものです。
川の流れは変わらないように見えてその水は常に入れ替わっています。
まさに歴史文化伝統を守るために日々改革して行くということです。
変わらない縦糸の中で様々な自分に出来る横糸を入れて行きたいです。 -
中曽根さんのイメージが少し変わった。60年以上政治の中心にいたその経験から語られる言葉は、どれも重く、こういうしっかりとした保守が今の政治家にいるかなと、思うはず。
ただ、東アジア共同体を構築するにあたり横たわる歴史認識の差異への言及が薄いところ、戦後の社会の失敗をマッカーサーに押し付けることの強引さ、多様性のある民主主義を認識していながら、国家による一定の価値観の(事実上の)強制を明示しているあたりの記述に、もう少し詳しく語って欲しかったなぁと。
もっと長い著作で、自らの経験を語っていただきたいと感じました。 -
中曽根さんってもう90過ぎてるんだな。しかし、激動の時代の生き証人(しかも最前線で)なだけあり、文化や哲学に対して日本固有であるべきという考え方をしているなと思った。経験だけは誰に引き継げないので、どうにか冷凍保存できないものかね。
彼が原発を多いに推進した、というくだりは今は忌み嫌われるだろうけど、当時としては最善の策だったのであろう。問題は推進の仕組みは作ったけどチェックする仕組みを作らなかったことでしょう。
2010年の本だけどネットや現代文化に踏み込めて無い点はあるけど、希代の政治家中曽根康弘の功績と思想を知る上ではわかりやすいと思った。
しかし、中曽根さんが警鐘をならしている日本という国が何なのかという不確かさ、日本人が作ったわけではない憲法をどう変えていくか、については未だに国民的な議論はされていないですね。 -
[ 内容 ]
日本を死なせぬために―政治家の使命とは何か?
迷走する政治への最終提言。
[ 目次 ]
第1章 自民党再生への道(鳩山首相と祖父・一郎;検証・民主党政治 ほか)
第2章 保守主義とは何だったのか?(戦前の二大政党制;官僚主義はなぜ生まれたか ほか)
第3章 世界における日本を再考する(冷戦構造の時代;世界の中における日本 ほか)
第4章 これからの政治家に必要なもの(哲学と熱情;歴史に示唆あり ほか)
第5章 今こそ「坂の上の雲」を追え(司馬遼太郎と戦後日本;現代における「坂の上の雲」とは ほか)
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
いま、この民主党代表選の時期だからこそ、面白く読める。
実は中曽根康弘は菅直人をあまりご存知ないのではなかろうか。
彼の言う「保守」の範疇にはないのだろう。
発行時期が5月だったためか、鳩山由紀夫、小沢一郎への言及が多い。
小泉純一郎批判が面白い。すべてにおいて「空っぽ」だと。
小鳩については幾分好意的。
以前は、鳩山一郎を支持。東アジア共同体など共感する部分が多いのだろう。