- Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047271418
作品紹介・あらすじ
誘拐って、こんなにマヌケなものだったっけ…?なんとなく笑っちゃうけれどぜんぜん笑い事じゃない。だけど、決して笑い事じゃないのに笑っちゃって、なんだかちょっと、親近感を感じるような。どこか遠い場所で起こっている恐ろしい出来事だと思っていた戦争は、こんな風に私たちの生活とゆるやかに、だけど確かにつながっているのです。
感想・レビュー・書評
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ギャルハウスでの常岡さんの扱いがヒドイ(笑)
(ギャルハウスと言うと若い女の子だらけのハーレムを連想させるけど、実際は普通のシェアハウスみたいですね。何故常岡さん以外は女子だけなのか知りたい…)
人質としてどんな生活をしていたのか描かれているけど、この本を読んでも人質になった時に役に立つかと言えばたたないでしょうね…。
捕まったとき、「アメリカ人だったら首を切って殺したよ」と言われたり。でも拷問されたりひどい扱いを受けたようではないけど、これはただ単に本に描けない(描きたくない)だけなのかなぁと思ってしまう。
常岡さんは長期間拘束されたものの無事に解放されている。同じ人質でも解放されるもの、殺されるもの、一体何が違うのか。
解放された後の迷惑こうむった外務省の常岡さんの扱いには納得はするけど素直に従う日本のマスコミ、それでいいのかなぁと考えさせられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
常岡さんが解放されて帰ってきた、このタイミングで読了。大メディアの報道や官庁の広報と実際のところとのギャップがここまで大きいんだと、いろいろ考えさせられました。アフガンの情勢についてやっと少しつかめたように思います。きっかけを作ってくれた常岡さんに感謝。戦場は怖いけど友人が心配だとか、自分が取材しないと誰も行かない、と考えて現地に向かう常岡さんはまっとうな人だと思う。取材すればするほど貧乏になるってことは、私たちの無関心が原因なんですよね。少しでも関心を持つことが大切なんだと感じました。早く良くなってくださいね(現在デング熱で療養中)。あと、やっとギャルハウスの詳細がわかりました(笑)。
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□ 14227.
〈読破期間〉
2014/11/19 -
常岡浩介。戦場ジャーナリスト。2001年、グルジアで身柄を拘束
される。2004年、ロシア秘密警察に逮捕されて国外退去。
2度あることは3度あるって訳じゃないのだろうけれど、3度目は
日本国内でも大きなニュースとして扱われた。
2010年4月、アフガニスタンでタリバンの幹部を取材直後に誘拐
された。
その過程を漫画にしたのが本書である。笑っちゃいけなんだが
笑ってしまうのだ。いや、本人はきっと大真面目に人質になって
いたのだろうし、誘拐した方も大真面目に誘拐したのだろう。
でも、まぬけなの。誘拐犯は日本大使館に電話したはずなのに、
繋がったのは毎日新聞の記者だし、最新型の携帯電話の使い
方を人質に教わってるし。
しかも、「インターネットが出来ますぜ、旦那」とか言って、人質に
なっているのにTwitterで呟いているし。
日本のメディアでは誘拐したのはタリバンと報道されたが、毎日
新聞の記者と常岡氏が話した時に政府系組織の名を挙げている
のだよな。
漫画だけにとっつきやすいし、アフガニスタンのことも理解しやすい。
当事者である常岡氏のコラムもあり、最後の方で常岡氏がアフガン
に赴くきっかけとなったひとりの青年との出会いのことも描かれている。
そうか。漫画って手もあるんだね。文章だけじゃ理解しにくいことも、
こういう表現方法だと誰でもとっつきやすいかもしれない。 -
実際にアフガニスタンに取材に行き、そこで誘拐された男性の実話。
漫画で記されているからか、緊迫した状況もすんなり入ってくるというか、現実味がないというか…
ただ、世界には行かないと、又は身近にそういう話でもないとわからないことが多いってこと。
無事で良かった。
2014.12.7 -
中東問題や、海外の紛争・内戦の話題は、毎日のようにニュースから流れてくるというのに、それをただ「聞いてる」だけで「理解」はしていなかった事に気づかされた。恥ずかしい。
コミカルに、面白く漫画は描かれているが、内容は日常的な死と殺人、戦う理由を考えられない状況等、重い。 -
アフガニスタンへの取材中に武装勢力に拘束されたジャーナリスト・常岡浩介。本書では筆者の長年の友人である女性からの目線と、拘束された常岡氏が、絶望的な状況をユーモアで切り抜けるところが印象的です。
これはあまり一般会話では言うことはないのですが、僕は彼と同じく報道写真家の長倉洋海氏と人生で三回ほど邂逅したことがあり、その際に戦場取材の心得とは?という趣旨の質問をして、対する氏の答えは
「勇気を持って、臆病に、引くところは引く」
といった答えであったことを覚えております。
本書では通称「ギャルハウス」に住む同居人の筆者から見た「つねおかさん」であり、彼がアフガニスタンの取材中に誘拐され、開放するまでの151日間をユーモラスに、時にはシリアスに、当人である常岡氏のコラムや、同居人たちの座談会も交えつつ、漫画で紹介するものです。
拘束され、各地を転々としながらいつ訪れるかもしれない「死」におびえつつも、彼らとのやり取りから自分が誘拐された状況を探ったり、食事の様子を語ったりするところは面白かったのですが、後に彼と同室になるつかまったスパイが(恐らく)処刑されるくだりは
「コイツらは人を殺すことに慣れすぎている!!」
という平和な平和な日本にいる限りではまず理解できないようなメンタリティーの違いに背筋が寒くなってしまいました。
結局のところ、常岡氏はなんだかんだあって帰国し、同居人の轟々たる批判にあいつつも、
「僕は自分の身に起きたことの真相を知りたい」
といって再びアフガニスタンに赴こうとするのです。
ただ、漫画では旅立ちでエンディングですが、コラムによると実際のところでは、「複雑なオトナの事情」によって現地入りはかなわないのだそうです。現在も戦火が耐えない激動の大地、アフガニスタン。そんな「遠い世界」を身近なものに感じるためにも、彼の存在は貴重だと思うのですが…。 -
アフガニスタンで何者かに誘拐されたジャーナリスト 常岡浩介さんの157日間に及ぶ拉致監禁生活体験記です。可愛いイラストと軽快な文章に頬が緩んでしまいます。それだけに、ゆるい笑い話の中に垣間見える死の恐怖に、いたたまれなくなってしまいます。
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ustreamとかラジオで知ってることもあったけど、アジマールとのくだりは、胸アツでした。ただ、写真はカラーで載せて欲しかった。
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そういえばこんな事件あったなーくらいで読み始め。不思議な読後感。
世界はずーっと動いてるのに、見ないで生きてくののなんと容易なこと。
「友人の安否が気にかかるから、行く」。シンプルで強い言葉でした…